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死を直前にして老人が語ったこと

死を目前にした老人が、ある日突然目覚めて言った。

👴「ワシは、今ようやくわかったんだ!」


👨「お爺ちゃん、何がわかったの?」と孫が聞く。


👴ワシの人生は糞見たいなものだった。


👨どうして? お爺ちゃんは若い頃から勉強家で頭のいい人だったって、みんな言ってるよ。


👴ワシは若い頃、文学書や哲学書を読み漁ってばかりだった。


👨すごいなあ。僕がはまったのはゲームだけだよ。 お爺ちゃんは読書家だったんだね。


👴ワシはずっと「生きる意味」を求め続けていた。 生きる意味という崇高な「精神的欲望」を満たそうとしていて本ばかり読んだんだ。

食って寝るだけの生き方をしてるヤツラは低級な人間だと思っていたし、あいつらは「物質的人間」と見下して、バカにもしていた。

ワシはそんなヤツラとは違う! 
「精神的欲望」こそ素晴らしいものなのだと信じて本を読み、本には線を引き、重要な言葉を書き出しノートを作り、また考えた。


👨そこがすごいよ~。 僕は難し過ぎると勉強する気さえ起きなかったもん。
面白い漫画とかゲームばっかりだったから(笑)


👴本を読むことが面白いかって? 楽しいかって? そんなことを一度も思ったことがない。
哲学書や文学書なんかに喜びも楽しさもなかった。 
自分はアイツらとは違うのだ、精神的探究者なのだという自負だけで読んでたようなもんだ。

またあの当時は、学校の成績が良く、本ばかり読んでるヤツラはインテリと言って周りも誉めそやした。
それで、よけいワシは、低俗な肉体派とは違う!といい気になってたんだ。

まったく、くだらない!


ワシは逃げていたんだ。 現実から逃げていただけなんだ!
本当は、汗水流して働き食って寝るだけの生活が出来ない、ただの怠け者だったのかもしれない。

いや、仮にそんな暮らしが嫌だったならば、そんな現実が嫌だったならば、自分で自分の現実を作ればよかったんだ。

しかしワシは、目の前の納得のいかない現実や状況をみるたびに絶望的になって「精神世界」に逃げ込んだ。
現実逃避だったんだ。

現実を変えられる可能性は山ほどあっただろうに・・それそら考えてもみなかった。

怖かったのかもしれない、自信がなかったのかもしれない。
現実を変えるよりも、本を読んでいて、人からインテリと誉めそやされてる方が楽で心地良かったからだ。

ワシのした事はなんだ!

現実や肉体から精神をレベル分けして、精神的要素の方がより高貴なもので重要だ、と正当化して、
「精神的探究者」という崇高で美しい世界に逃げ込んだんだ。

「崇高で美しい」? そんなもんは糞だ!

「精神的要素」こそが人間には重要だなんてのは、一つの信仰や思想に過ぎない。 
信仰や思想なんてものは、弱虫の駆け込み寺みたいなもんだ。

ワシは、現実を変える勇気も覚悟も無いがため、「生きる意味の探求」という「ぬるま湯」にとどまって現実から逃げただけだ。


生きる意味の探究なんぞしなくたって人は生きることができる。幸せを感じることが出来る。

大事なことは、「現実の状況を変えられるか否か」なのだ。
ワシは本なぞ読んで考えてばっかりいるだけで、何一つしてこなかったのだ。


だから・・ほら、見てみろ!
今のワシには妻も子も友人さえなく、今たった一人孤独で死にかけてる。



👨ああ~、ちょっと待ってよ!
お爺ちゃんだって、若い頃は恋もいっぱいしたでしょ? イケメンだったと思うし・・さぞ女性にはモテたと思うけどなあ。 


👴たしかに・・多くの恋はしたさ。 だけど、なんのコミットメントも出来ないような無責任な男は、家庭を望む女にはすぐ捨てられる。
家庭を望まない女たちは、まるで恋に恋するような薄っぺらな男のことなぞ、初めっから相手にしない。
自分では多くの女たちを振ったと思ってたけど・・実はワシが振られてたんだ。


👨でも~、お爺ちゃんは知識が豊富で難しい言葉だっていっぱい知ってる。
女の人は頭のいい男性に憧れるって言うし、男たちだってお爺ちゃんに憧れたり、一目も二目も置いてたんだと思うけどな~。


👴たしかに、難しい言葉は知っている。
「アンチノミー」、「パラドックス」、「アウフヘーベン」・・みんな哲学用語だ。

だけど、こんな言葉を知らなくたって立派に生きてる人たちは山ほどいる。

いや、彼らは言葉を知らないというだけであって、実は人生の体験から知ってるんだ。
三重苦のヘレン・ケラーが「水」という言葉を知らなくったって、それが喉の渇きをいやす甘露な液体であることを初めから知っていたように。

何ひとつ知らないのは、実はワシの方なのだ。  
ただ言葉を記憶しているだけで体では何もわかってなかったのだ。


カントはこんなことを言っている。

悟性は純粋概念の能力と呼ばれ、感性に与えられる素材を自己の形式(範疇)にしたがって整理し、対象を構成する自然界の立法者である。




ワシはこれをそらんじている。 そしてちゃんと理解してる、どうだ! 偉いだろ!
お前らには到底わかるまいと!・・・そう、思っていた。

だけど、何ひとつわかってなかったのはワシの方だ!


👨え? 僕には、難しすぎてさっぱりだよ。


👴明治時代の人がドイツ語を訳したのだろうから、やたら難解な言葉を使ってるだけなんだ。

簡単に言えば、こうゆうことだ。

人は何かを理解しようとするとき、頭の中の枠組みに当てはめようとするけど、頭じゃなくて、すべての感覚器官で感じることなのだ。




肉体派とバカにしてた人々に、なーんだ!そんなことは当たり前だろーが!と笑われそうだ。


だが、ワシは今・・死ぬ間際になってようやくわかったのだ。
こんなことさえ、わかってなかったのだ。



👨お爺ちゃん・・・。 もう、いいじゃないか。 今わかったんだから。
わかるのに一生かかってしまったとしても、わからないまま死ぬよりも、それはずっと素晴らしいだろ?

お爺ちゃんは今度生まれ変わったら、どんな人生を送りたい?


👴ワシは今度は、強欲な代官様が圧制を強いてるようなところで、うんと苦しい生活をしてる水飲み百姓に生まれたいなあ。

そこで、今度こそ、自分で現実を変えていくことをしたいと思っている。


このおじいさんは、資産家の名家に生まれ一生働かなくても生活が出来るという恵まれた境遇の人だったそうだ。


👴えっと、キミはなんて名前だ?
ありがとうな! いつも優しく孫のように振る舞ってくれて・・。

ワシの最後の話を聞いてくれてありがとうな。
もう、思い残すことは何もない。
本当に本当に・・ありがとうな。


彼は孫ではない。
ここのホスピスで働く、若い看護師に過ぎない。

意識の戻らない寝たきりの老人に、いつも、僕はあなたの孫だよ!と話しかけていただけなのだ。


この老人は話し終えると、また混濁した意識の中に落ちていき、そして二度と正気に戻ることなく息を引き取ったという。


これは、この若い看護師から聞いた話だ。

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Author:gingetsu2010
アリゾナ州セドナにて、アクセサリー工房Alizona*銀の月*をオープンしてる銀月です!

日々の生活や体験の中から、社会のこと、スピリチュアルなことなど・・思いつくままに書きつらねてます。

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