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個人主義か集団主義か_レストラン事情でみる

皆さんは、飲食店で働くウェイターやウェイトレスさんに注目したことはありますか?
(注釈:ルックスじゃなくって職業として)


私は日本に住んでいた頃はあまり気にしたことがなかった。


これは、こちら(南カリフォルニア)で働くウェイトレスさんから聞いた話。

このウェイトレスさんは40代半ばくらいの日本人女性なのだ。


「私、渡米してきたばっかりの頃は英語が得意じゃなかったから、日系のレストランで日本人ばかりの中で働いてたのよ。
当時は、毎日10時間から12時間も働いてたわね~。それでも生活が苦しかったし疲れがとれない日々だった。

そのうち、英会話力をアップさせて、アメリカのレストランに変わったら、断然生活が向上していったの。

日本社会はウエイトレスのチップさえ全員で分けなけりゃいけなかったけど、アメリカは完全に個人のものでしょ。
私は、そういったアメリカの個人主義の方があってるのよね~。」



この彼女、現在はどんな生活をしているか?というと

もちろん、ウェイトレスをやってます。

収入は月平均5000ドルくらい。
しかも、勤務時間は1日せいぜい5時間程度で、半月くらいしか働かないのだ。


うわお! ウエイトレスさんてそんなに高給取りになれるんだ~!とびっくりしたものだ。



アメリカではウエイター・ウエイトレスさんは最低時給しかもらえない。
(最低時給: 2018年カリフォルニア州では、従業員25人までの店では$10.50で、それ以上は$11.00)

つまり、全部お客さんからいただくチップで大半を稼いでしまう。



ここで、アメリカのレストラン事情をご存じない方のために、簡単にお伝えしておこう。

レストランで飲食した場合、お客はチップとして通常15%~20%を払う。

ただし、これはあくまでも一般的目安なので、チップはお客の気持ち次第でいくらでも変わる。


レストランで働く職種は

★マネージャー・・お店全体を管理する人
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★レセプショニスト・・お客様の予約・受付、席へのご案内など(ただし小さなお店では置いてないこともある)
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★キッチン・シェフ、または、そのアシスタント(厨房で働く人)
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★ウエイター・ウエイトレス(給仕係)・・担当テーブルが決まっている。
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★バスボーイ(お客さんの飲食後の食器をさげてくる人)
[TGI Fridays] Busboys


★食器洗い&お掃除専門の人(南カリフォルニアでは英語の通じないメキシカンが担当してることが多い)
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この中でお客さんからチップを貰えるのは、基本的にウエイター・ウエイトレスのみ



一方、日系飲食業界では、ちと違うことが多い。

残念ながら、悪い評判を耳にすることも実に多いのだ。


それは、


●とにかく薄給(ウエイター・ウエイトレスはチップで稼ぐために最低賃金だけど、シェフも最低賃金で働かせる店もあるとか?)

●オーナーが公私混同(解雇も胸三寸で決められるし、独断的・横暴なんだとか)

●自分の仕事以外のことまでやらされる(ウェイター・ウエイトレスが食器を下げたり洗ったりなーんて・・)

●せっかく稼いだチップも全員で分けられてしまう。(もちろん、これはウエイター・ウエイトレスからのクレーム)




こうゆうことを聞いたとき、

え? オーナーが横暴なマネをするなら訴えればすむことだろ~が!と、私は思ったのだが・・

日本から来たばかりの人たちは、英語が得意でない場合も多いので、なかなか訴訟を起こすことも出来ない。

すぐにでも生活資金が必要なため首にされたら困る!という事情がある。

さらに、違法ビザで働いてる人の場合、最低賃金を下回る時給で働かされることになる。
(そもそも雇用するのが間違いなんだけど、店側は安い賃金で働かせられるから平気で雇ってしまうんだとか。 やれやれ。)


その結果、従業員はオーナーの顔色を伺いつつ横暴にも耐え抜き、オーナーはますます専制君主のようになっていくらしいのだ。


そうゆう店は、とにかく、人の移り変わりが激しい!

料理もイマイチな味のとこばかり。(そりゃあ、プロフェショナルなシェフだったら働かないだろうし~)


それでいて日本食は料金が安いわけでもないので、私はめったに日系レストランには行かない(笑)

同じ日系レストランでも、ハリウッドあたりの高級店ともなればまた別のはなしだけどね~。



以前、こういったオーナーから、こんな事を聞いた。

「アメリカの店ってのは、自分でもらったチップは全部自分のものにしてしまう。
うちの店ではそういったアメリカ人の個人主義ってのは嫌いなんだよ。 日本人なら、みんなで分け合うべきだ!」



ん? それじゃあ、儲けはみんなで分け合ってるんかい? ほとんどがオーナーさんの懐では?

で、最低賃金で働くウエイター・ウエイトレスのチップだけ分け合うってのは、ちと違うだろ!・・・と私はツッコミを入れたくなる。。。




おっしゃる通り、これはレストラン業界に限らずアメリカは個人主義の国。 日本は集団主義の国ともいえる。

こんな図があるくらいだ。
  ↓
dff1539a.jpg
http://ibunkakukan.blog.jp/individualism.html


そこで、先ほどの高給取りのウエイトレスになった女性の話を聞くと、なかなか大変な努力をしているのだ。
(そんなの当たり前のことよ!と言われてしまったけど。)

●すべての料理や飲み物を覚えるだけでなく、料理やその材料の知識も、さらに自分の舌でも学んでいる。
ワインのテイスティングも出来るそうだ。
すべて自腹を切って勉強したという。

●お客さんの要望、状況を判断して、シェフに様々な個別指示を出すこともある。

●お客さんの空気を読んで話術でハッピーにするように心がける




ウェイター・ウェイトレスというのは、料理を運ぶだけの仕事ではないらしい。

さらに、一番お客さんと身近に接するだけ、さまざまなことをマネージャーやオーナーに提案することができる立場でもある。

料理のメニュー、インテリア、料金などに至るまで・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そういえば、私もアメリカのレストランで特別サービス?を受けた経験がある。


レストランがかなり混んでいたせいか、なかなか次の料理がこないことがあった。

私、超不機嫌(←お腹がペコペコだったもんで・・)、たぶん、怒った顔をしてたんだと思う。

ようやく料理が終わると・・ウェイトレスがやってきて、
「さあ、デザートは何にする?」と聞かれる。

「いえ、もうお腹いっぱいだから結構!」

「これは私のおごりよ!きょうは混んでて待たせちゃったおわび!
レディーはね、デザートは別腹って言うでしょ?」
と、ウインクされた。


それだけで、私はにっこにこ。 

もちろん、デザートを平らげてしまい、帰りには過分なほどのチップを置いてしまった(笑)

やれやれ~、ちゃーんと私の不機嫌な顔をみられてたってことだ。
しかも心の中を読まれてたらしい。(超恥ずかしい~)

さすがプロだよな~と思った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

ウェイターが良くなかったという例もある。


友人と二人でステーキを頼んだのだが、私たちは、ミディアムレアを指定した。

これがミディアムレアだと思うのだが・・
medium-rare.jpg


にもかかわらず、ナイフを入れると、だーーと血が流れ出る。

おいおい!これって、限りなく生に近いレアだよ!と、もう一度焼いてもらうようにウェイターを呼ぶ。


しばし待って・・・
今度やってきたのは、ナイフを入れると、ピンクの部分がまるで無いステーキ。

こうゆうヤツ
 welldone.jpg


おいおい! これじゃ限りなくウェルダンだよ。

友人が、ウェルダン(Well done)じゃなくてbadly(悪く)doneだ!とジョークを飛ばす。


またもウェイターを呼んで、お皿を変えてもらう。


三度目にやってきたのは、ミディアムだった。

正確にいうと、これはミディアムレアではない。


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シェフの技量不足なのか、ウェイターがいい加減なのか?


「きっと、ここの店の常識ではミディアムレアも、ミディアムなんじゃね?」

「いや、ミディアムレアって言葉を知らないのかも。 もう面倒だから妥協すっか!」

「これならまあ、食べられなくはないし・・これ以上待つのはうんざりだもんね。」



こうやって「妥協ステーキ」を二人で黙々と食べているところに、フロアマネージャーの女性がやってきた。


ブロンドの髪を束ねて黒っぽいスーツを着た女性だ。(すぐにマネージャーとわかる!)


「ステーキーのお皿を3度も取り換えさせたそうですが、何か不都合がありましたか?」と聞かれた。

私たちは、はいはい。実は・・これこれしかじかで・・と全部話した。


「それは、とんでもないことです。大変申し訳ありません。
少々お待ちいただければ、今度はミディアムレアをお持ちします。」


「いえいえ、このミディアムなら、まあ食べられるからいいですよ! それにもう、半分以上食べちゃってるし・・これ以上待ちたくないし~」


「それでは、せめてものお詫びに、お二人が本日食べたステーキは無料にさせて頂きます。」



さ、さすがはマネージャーだ!


ここのレストランのウェイター&シェフはダメダメらしいが、マネージャーさんは全テーブルにしっかり目を光らせてる人だったらしい。


でもチップは10%程度しか置かなかった、「それでも多いくらいだぜ!」と友人に言われた!


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そのほか、ウエイター・ウェイトレスには様々なことをお願いできるのがアメリカのいいとこだ。


「私、付け合わせのグリーンビーンズもニンジンも嫌いなの。 他のものと変えてくれる?」


「あらあら、まるでウチの息子そっくり(笑) それじゃあ、ブロッコリーかズッキーニは好き?」



などと、軽口をたたきながらも、出来る限りのことを彼らの一存でサービスしてくれるものだ。



私がいつもお願いすることは、ソースやドレッシングは横に添えて持ってきてね!ということだろう。


ほとんどのファミリークラスのレストランでは、ソースやドレッシングをかけ過ぎていることが多いのだ。


これなんか、ブラックベリーソースだけど・・完全にソースのかけすぎ。
     ↓
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だけど、一流店にいけば絶妙のソース・バランス(野暮な注文をする必要はないのだ。)
     ↓
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まあ、こんなところがアメリカのレストランの面白いところともいえる。


とにかく店によって違う。 実にピンキリ!

たとえB級グルメの店であっても良い店は限りなく良いし、悪い店は限りなく悪いという傾向は強い。



ところが、日系レストランにいくと、ほとんどが、どこも同じ。

ウエイター・ウエイトレスは敬語で話すけど(もちろん日本語)、特別なことはしてくれず料理を運ぶだけって傾向が強い。


アメリカの場合、気軽なレストランだと完全にタメ口のとこだって多い。

(それを失礼と感じるかフレンドリーと感じるか?)




こういったところが、先ほどの集団主義か個人主義かの違いとなって現れるのかもしれない。


・・・・・・・・・・・・・・・・


アメリカに来たばかりの頃、ベテランウエイター・ウエイトレスに、こんな質問をしたことがあった。

かなり突っ込んだ質問だったと思う(笑)


私:「日本人の接客業はほとんど敬語で話す傾向があるんだけど、アメリカではほとんどの場合フレンドリーに話すことが多いの?」


ウェイター:「それは相手によるね。 カップルで来て二人きりで話したい人、また仕事関係で深刻な話をしにくる人もいるし、常に敬語で話されることに慣れてる人もいれば、また逆のタイプの人もいる。
一人で退屈してる人、寂しげな人もいるしね。

だから相手をみて、空気を読んで対応するだけだよ。
結局、お客様に気持ち良く、しかもハッピーになって帰ってもらうことが我々の仕事なんだよ。」




チップについても質問した。

私:「多額なチップをもらって、全部自分の懐に入れても構わないの?」

ウェイター:「そりゃ、当然!  だけど実際には、それは人による。
僕は、バスボーイにも、いつも僕の席を素早く片付けてくれてありがとう!って一部を渡したりもするし、シェフに無理なお願いをしたときなんかは、ありがとう!お客がすごく喜んでいっぱいくれたから、お裾分け!って渡すよ。

だってさあ、その方がみんな嬉しいし、モチベーションだって上がるじゃない?
それに、それぞれの持ち場の協力があって働けるんだよ。

お客が満足して、ありがとう!ってたくさんのチップを貰い、僕もありがとう!ってチームのみんなに渡したくなっちゃうもんさ。
みんな、持ちつ持たれつ! だから、僕はこの仕事が好きなんだ。」



あらら・・

個人主義のアメリカ人から、「みんなの協力」とか、「チーム」とか、「持ちつ持たれつ」なんて言葉を聞けるとは・・

当時の私は思ってもみなかったことだった。



ここで、ふと、先ほどの日本人オーナーの言葉を思い出す。


「自分でもらったチップだから全部自分のものというアメリカ人、アメリカの個人主義は嫌いだ

と言ってた、日本人オーナー。


これって・・・

個人主義とエゴイズムを一緒くたにしちゃってるんじゃないかな?



さらに言えば

「誰だって儲かったものは独り占めしちゃうに決まってる。それが人間ってヤツだ!」という認識しか出来ない人ともいえる。


おいおい!自分がそうだからってすべての人がそうじゃないんだぜ・・と私はまたもツッコミたくなる。



ここで一番の問題は、

強制的に「チップは皆で分け合うこと」という法を作ってしまうことにある。

「分け合う精神」を法にしたり、システム化してしまうことは、根本的に違うんじゃないかな?



そんなことをしたところで、形だけみんな仲良しが出来上がっても、心の中は不満だらけってことになりかねない。


形だけ整えば、それでいいんかい!




本当にプロフェッショナルな人は、上の図にあったような、集団主義も個人主義も関係ないようにみえる。

たとえ、最終目的が自己実現にあったとしても、それが調和と総意なくてしては実現しないことを彼らは知ってるし・・

エゴイストでいては、自分のスキルさえ磨けないことだって知っているのだ。



むしろ、初めから「集団主義を敷いてしまう体制」の方が、エゴイスティックな人間を作り上げてしまうのではないだろうか?


形だけはみんな一緒、みんなで仲良く。

出る釘は打たれるから、あまり意見は言わないようにして。

でも心の底では、人のことなんか構うもんか!というどす黒さを隠し持ってたりする。



それじゃあ、お店も良くならないし本当のチームワークなんかあるわけもない。

人を幸せにする以前に、働く人すべてが不幸ってもんだろう。



だからか~。

こういった日系レストランは人の入れ替わりが激しくそして店もすぐ潰れる。

で、また、すぐに新しい店が出来て潰れるの繰り返し。 エンドレスなのだ。



まあ、どんな事情があろうとも、そんなレストランで働くのは止めた方がいいんじゃね?と、私は思う。


オーナーの顔色を窺って、安~い時給で10時間も12時間も働かされて毎日疲れきってるとしたら・・

それは、自分をすり減らしていくだけだろう。

ますます自らの運を下降させてくようなものだ。



仕事とは?

それは大好きなものであり、プライドを持って働けるもの
こそが仕事だと思っている。


昔々、好きなことをするのは仕事じゃない。それは遊びか趣味だ・・と豪語する人がいたけど、今ではそんな言葉はクソだと思ってしまう私だ。



まさに、あの転職したウェイトレスさんのように、

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「私はこの仕事が大好きなの。 
ときには、英国の古きバトラーのように振る舞い、時にはお母さんやお姉ちゃんのように振る舞い、ときには友達のように振る舞える仕事って他にないでしょ。
 
学ぶことは多いし毎日が新鮮そのもの!
人を幸せにする仕事って最高よ!」


彼女から、いつもキラキラする「大好きオーラ」がこぼれてくる。


彼らはこのように、好きな仕事にプライドを持って働いているのだ。


このようにして、

プロフェッショナルなウエイター・ウエイトレスがいる店はますます繁盛し、そして彼らには、ますますチップがいっぱい入ってくることになる。

持ちつ持たれつの相乗効果



ところが、

残念ながら、日系のレストランのウェイター・ウエイトレス、シェフまでも、自分の職業をあまり人には言いたくないんだそーです。
(人から低くみられる職種なんだとか・・)


・・・・・・・・・

こういったことから、同じ職業を持っていたとしても、人の人生は大きく変わっていってしまうのかもしれませんね。


さて、ブラック企業で働く方々、そんなとこ、さっさと蹴とばして辞めて、より良いステップを踏み出していただければと思います。

そうゆう人には、必ず追い風が吹いてくるもんです。



個人主義、大いに結構!

私はむしろ、人は個人主義から出発して集団主義の良いところを取り入れていくような気がしています。

先ほども言ったように、最初っから「頭ごなしの集団主義」なんてウソだと思ってます。




あ!そうそう・・

だからといって待遇のいい高級レストランにいきなり変わるってのは、なかなか難しいらしい。

いくら高スキルを持っていたとしても・・なかなか空きが出ませんから。

半月で5千ドルも稼げて楽しく働ける店、そんなところでは、人はほとんど辞めたりしないそうです。


そりゃそうだ~!(笑)

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スピリチュアル世界中心のブログ★

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Author:gingetsu2010
アリゾナ州セドナにて、アクセサリー工房Alizona*銀の月*をオープンしてる銀月です!

日々の生活や体験の中から、社会のこと、スピリチュアルなことなど・・思いつくままに書きつらねてます。

皆様にも「スピリチャアルの意味」「生きる意味」を感じて頂けたら、幸いです!☆

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