勝ち負けにこだわれば、チューバッカ弁論

前回のメディアリテラシーの話に、ちょっと関連するような話なんだけど・・・ふと、私の子供だった頃を思い出してしまった。


あれは、小学校の4-5年生頃だったかなあ?

これは、私が、実~に嫌~な子供だったか!って話になっちゃうんだけどね~(笑)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ある学校の帰り道、一人の女の子と一緒に帰宅途中

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   ↑
こんなふうに仲良く、だったらよかったんだけど・・。


途中で口論になった。

その原因がなんだったのかまでは覚えてない。

最初は、二人でヒートアップして言い争ってたんだけど、だんだん、相手の女の子の方が言葉を失っていく。

女の子: 「だって、だってさあ、そんなの私、嫌だもん。」

私: 「嫌だもん、って言うのは、それは、あなただけの感情でしょう? 自分の感情で決めるってことは、あなたの身勝手ってことよ。」

女の子: 「そんなことないわ。 きっと、誰だって嫌だと思う。みんなだって・・・。」

私: 「誰だって・・って言うけど、私は嫌じゃないよ。 みんなだって・・というのは、いったい誰から聞いたの?
実際、あなたは何も聞いてないでしょ?  自分が嫌だから、みんなだって嫌に決まってる!って思いこんでるか、または、そうやって、自分を正当化しようとしてるだけよ。」

女の子:「そんなことないもん! 」

私: 「そんなことないもん! っていうなら、ちゃんとそこを説明してよ。」

女の子: 「・・・・・・・。 私、私が悪かったわ。 ごめんなさい。」


(会話がこのとおりだったとは思えないんだけど、とにかく、こんなカンジで私が彼女を追い詰めた。)

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私は、そこで、

ふん!(←鼻息荒く)勝った~!と思った。


家に帰るなり、私は父親をみつけて言った。(父がいたってことは土曜日だったのか?)

「あのね、きょう、○○ちゃんと、さっき、こうゆうことで言い争ったんだけど、私が勝ったの!
○○ちゃん、何も言えなくなっちゃって、ついに、ごめんなさい!だって~。」


自慢げに勝利に酔いしれてた私。


ところが、父の反応は冷たかった。

「ふ~~ん。」

たぶん、それだけだったような・・。

それで? それがどーしたっての?
アンタは、それで、いいことをしたって思ってるわけ?



無言でそう言われてるような気がした。


まるでいきなり、冷たい水を浴びせられたような気分になった。



え? なんで・・・?

私は父から、やっぱり、オマエは弁が立つし頭がいいなあ、という言葉を期待してたのだ。


なんで父は喜んでくれない?
むしろ、私を非難するような眼。


私のしたことはなんだったんだろう?

私の目的は、ただ・・○○ちゃんを言い負かすことだけだったんじゃないかな?

私の方が頭がいいんだぞ! 私にはかなわないんだぞ!ってことを見せたかったんじゃないかな?



おそらく、父は、それを見抜いたのだ。

そして、そんな私を無言で非難した。

そう、思った。


たしかに形の上で勝ったのは私だ。
だけど・・・私には、ひどく後味が悪い思いがずっと残った。

同時に、○○ちゃんに対して私はすごーく悪いことをしてしまったんじゃないだろうか? 
悪いのは私・・ただ、そんな気がした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そんな私も、大人になってみれば、まるで、私のあの頃と同じような光景をいっぱい目にすることになる。


たとえば、裁判。

公平なはずの裁判が、ちーっとも公平じゃなかったりすることが、よーくわかるようになった。

有能な裁判官、弁護士・・・すべて勝ち負けの世界でしかないのだ。
目的は、勝ち星をいっぱいあげればいいのだから。(←力士じゃあるまいし~。)

そのためには、有利になる証拠集めをして論理的に勝ちに導けばいいのだ。
たとえ、どんな手を使ってでも!


それじゃあ、あの時の私の心境と、まるで同じじゃないか!


アメリカでは、よくある話・・黒人の原告を有罪にするために、わざと白人だらけの陪審員のいる地域で裁判を行うとか、人々の人種差別意識でさえも利用してしまう手口。

逆に、有名な、O・J・シンプソン事件のときは、O・Jは黒人だったけど、彼は有名人で超大金持ちだったからね~、

ロバート・シャピーロとジョニー・コクランという、大物弁護士を雇って、彼は黒人だから白人警官たちの人種差別によって証拠をねつ造されて犯人にしたてられた!ってことで勝利してるんだよね。

これは人種差別を逆手にとった方法ってわけだ~。


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一番右がOJ, 真ん中がジョニー・コクラン、左がロバート・シャピーロ

おまけにジョニー・コクラン弁護士は、O・J・シンプソン事件の最終弁論でチューバッカ弁論(Chewbacca defense)を行なったことで、勝利に導くことになったって言われている。


チューバッカ弁論ってなんだ???

映画、スターウォーズを見たことがある人なら、たぶん知ってると思うけど・・
この左側の毛むくじゃらの登場人物がチューバッカだったね(笑)
       ↓
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で、どういったことかって言うと・・Wikiには、こう書かれている。

●ナンセンスな論点のすり替えを多用して聞き手を混乱させ、自分が望む結論へ誘導する弁論を揶揄する言葉であり、いわゆる「燻製ニシンの虚偽」の一種である。

●ユーモア作家エリス・ワイナー (Ellis Weiner) によれば「誰かが自分の言い分を、聴き手の脳がまったく麻痺してしまうほど明らかにナンセンスなことを並べて主張すること」としている


●原告の弁護を務めたジョニー・コクランは、依頼人が絶対的に不利な中で、まったく裁判に関係がない映画『スター・ウォーズ』の登場人物であるチューバッカを引き合いに出して依頼人を勝たせた(この強引な弁論自体が、O・J・シンプソン事件におけるコクランの最終弁論への風刺でもある)




実際に、どんな最終弁論をしたかというとと・・
     ↓

...この「仮想」陪審団の皆さんに、最後に考えていただきたいことがひとつあります。
みなさん、これがチューバッカです。チューバッカは惑星キャッシーク出身のウーキーです。
しかし、チューバッカが住んでいるのは惑星エンドアです。さあ、考えてみてください。
これは何とも理屈に合わないことではありませんか!

何でまた、8フィートもあるウーキーが、2フィートしかないイウォークがうじゃうじゃしているエンドアに住みたがったりするんでしょう? これはまったく理屈に合いません。
しかし、もっと重要で、皆さん自身が問うべきなのは、このことが本件裁判に何の関係があるのか?ということです。何もありません。
皆さん、これは本件に何も関係がありません! まったく理屈に合いません! 私を見てください。
私は、大手レコード会社を弁護する弁護士ですが、話しているのはチューバッカのことです! これは理屈に合っていますか? 皆さん、私は理屈に合う話なんか何もしていないのです。何も理屈なんか通っていません!
ですから皆さんには、思い出していただかなければなりません。皆さんが陪審員室で審議したり、奴隷解放宣言を文法的に活用させたりすることは、理屈に合っているのでしょうか?
ノー! この仮想陪審団の皆さん、そんなことは何も理屈に合いません! チューバッカがエンドアに住んでいるのなら、皆さんは無罪放免にすべきです! 弁護側の弁論を終わります。



なんだこりゃ!!

こんなことで、有罪が無罪になっちゃうんかよ!

ところがなっちゃったんだよね~。

具体的には、重要な証拠のひとつだった、黒革の手袋が、法廷でOJがはめようとしたら、サイズが小さすぎてはまらない!
(おかしなことに、警察がその証拠物件を入手したときには、ちゃんとフィットしてたはずなのに・・・どこかですり替えられてる?)

oj.jpg

これじゃあ、証拠にはならないでしょ! 証拠品じたいがこんな曖昧なもので、なーんも理屈にあってないってことでしょ!
なーんも理屈に合ってないことは、無罪にすべき!


という感覚を、陪審員たちに心理的に植え付けたってことらしい。

もちろん、それまでの裁判の流れをちゃんと計算しつくして、さらに、見事な話術を効果的に使って締めくくったってことだろう。

うーーむ。

たしかに~、見事なお手並み、全米で有能な弁護士と言われるはずだ~。
有能な弁護士にかかれば、どんな黒も白に変えられるのだそうだから(笑)

もちろん・・・それには多額なお金がなければ・・の話だけどね(笑)

この事件は、全米中で放映されて・・・多くの人々に、苦い、後味の悪い思いを残したという。


でも、OJは無罪。

当然、真犯人なんて出てこないし・・。

殺された二人は? その家族は? 

そりゃ~、誰だって後味の悪い思いが残るだろうよ!

参考までに:
O・J・シンプソン事件 Wikiより
チューバッカ弁論 Wikiより

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たまたま、今、裁判の例をあげたけど・・
世の中のほとんどは・・・こういった勝ち負けで占められている

ってことだ。

勝組、負組って言葉さえあるくらいだからね~。


でも、

議論や裁判をするという、本来の意味は、



それぞれの主張があれば、それを相手に理解してもらうために議論すること

そして、みんなで真理にたどり着くこと


じゃなかったのか? ・・・と私は思う。



相手に理解してもらうために、お互いに議論を戦わせるんじゃなかったのか?

それには、

その底辺に、真摯に真理を追究しようとする気持ちと愛がなければ、相手は理解しない。


勝ち負けだけを目的にしたら、たとえ、それで勝利したところで、相手は心から納得するわけがないのだ。

きっと永久に!



そんなものには、なーんも価値がない。
意味がない。



まさに、あの、私の小学生のときのようにね。。。


あのときの女の子、私は名前さえ思い出せないんだけど・・今思えば、あの子は私よりもずーーと大人で賢い子だったんじゃないだろうか?

表向きは議論でやり込めた私、
だけど・・彼女はきっと、私の醜い心を感じ取ってたような気がするのだ。

ただ勝ちたいだけだった私、自分の賢さを誇示しようとしてた私。
そこには、ひとかけらも愛がなかった私、

それを感じ取ったからこそ、「ごめんね!」と誤って議論を打ち切ったのかもしれない。
そもそも、当時の私だったら、心で負けを認めたとしても、さらっと謝れるような子じゃなかったはず。

ふと、そんなことを思う。


それを教えてくれた、その女の子にも父にも・・今は、感謝だ!


あれがなければ私は今頃・・・大のディベート好きだった子供の私は、やり手弁護士・ジョニー・コクランのようになってたかもしれない。

んなわけないか~。
そもそもおバカな私は学力面ですでに脱落しただろうからね(笑)

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