消毒薬を使わない手当てと紫雲膏(しうんこう)の考え方

オフィスで仕事中のこと、
小包用のパッケージを作ってる時に、カッターナイフでうっかり手を切ってしまった人がいた。

そこで、私が常備していたバンドエイドを出してくると、

c26-B0057RMOSM-1-l.jpg


「ありがとう!でも、せっかくだけど、僕はmoisture and healing タイプを使ってるんだ。
従来のバンドエイドは使わないんだ。」

と、自分のバッグから、こんなものを出してきた。
  ↓
Moist-product03_225px.png



ええ?

moisture and healing タイプって?
潤いを与えて治すってこと?


傷の手当方法も、ここ10年ほどで大きく変わったようだ。

もちろん日本でも、アメリカでも!

私はすっかり時代遅れになってたようだなあ(笑)


◆「切り傷」や「すり傷」の従来の傷の手当

まずは消毒薬
次にガーゼで覆う

そうすると、

かさぶたができる。
かさぶたが剥がれたとき、完治。



よーく消毒して乾燥させて傷を治す。
ずーーと、これが当たり前だと思ってた。


消毒薬を使うのは、完全に細菌を殺して化膿を防ぐこと (←化膿することを一番恐れてたわけだね)
ガーゼは、通気性を良くして傷からの血液や体液を吸い取るため




ところが、この従来の治療法のどこに問題があったのかというと、

まず、消毒薬!

●消毒薬は傷を治そうとする皮膚の細胞すべてにダメージを与えてしまう。

つまり、消毒殺菌とは有害なものだけを殺すわけではないということで、消毒することによって細菌と一緒に、必要な体の細胞まで死滅させてしまうことになるだそうだ。

傷口あたりにいる免疫細胞や修復細胞達を消毒液で殺してしまうと、新しい細胞が血液に乗って送られてくるまで、傷の修復は進まないことになる。

また、消毒しても、すべての細菌を殺すことはできない。(患部の他からも、また外部からも侵入してくることもできる)

そうなると、細菌が消毒液の届かない場所に隠れている一方で、免疫細胞達がモロに消毒液を浴びてしまった場合、
有益な細胞を殺しすぎて、逆に感染症のリスクを高めることもありえるというわけだ。


次に、ガーゼ!

●ガーゼは使わないこと。
ガーゼは、傷からの血液や体液を吸い取るために当てていた。
体液は免疫細胞だったり線維芽細胞するわけで、彼らの活動を妨げることになる一方、
ガーゼに吸い取られた血液や体液は乾燥してガーゼが貼りつく。

さらに、ガーゼを取りかえるたびに乾燥して固まったものがはがれ、はがすときはとても痛いし、再び出血したりする。
ガーゼをかえるたびにはがれて細胞が乾くことを繰り返すと、傷の治りが遅くなる。



そもそも、私たちの体は、いったいどのように治していくんだっけ?
これは、擦り傷、切り傷、骨折、肉離れでも、ほとんど違いはないそうだ。

ここに、シロウトにもわかりやすく、火事に例えたものがあったので、こちらを紹介してみよう。
       ↓

人体を一つの街だと考えて、傷を火事だと仮定してみると

火事が起きる(①傷が出来る)

付近の住民や焼け出された住民が火事だと騒ぎ始める(②化学物質の放出)

火事を聞きつけた消防士や警官が火事の現場に急行(③修復に必要な細胞たちの集結)

消防隊や警官が延焼を防ぎながら火事を消す(④血小板が一時的に塞ぐ)

瓦礫まみれでは家の再建が進まないので、瓦礫の撤去をしつつ建築資材の搬入路を作る(⑤タンパク質をばら撒く)

土建屋が警官や消防隊の作った道を伝って、焼けた家の建築作業を行う(⑥線維芽細胞が仮の細胞を作る)

崩れていない家の部分やすぐに治せる部分は、新しく建て替えずにそのまま使う(⑦軽度の損傷部分の細胞分裂)

家の外観が完成する(⑧傷口が完全に防がれた状態)

住民が入って内装までしっかりと元通りにする(⑨正常な細胞になる)



おお! さまざまな係の人たちがいて、これだけ働いてるってことだ。

治すということは、細胞組織を元通りにするためだけの細胞さん(線維芽細胞など)だけじゃないってことだ。
(←細胞まで、さんづけかい! いちおう・・敬意を払って。)

傷口から流入する雑菌や死んで邪魔になった細胞の回収係もいるわけで、これが、主に白血球からの免疫細胞
この働きが無ければ、いきなり傷の修復はありえないわけで、かなり重要なパートを占めているのが、この免疫細胞さんたち。

傷ができるってことは表皮が破られるってことで、そうすると、本来体の中に入ってはいけない菌や物質が大量に入り込んでくることになる。
それを片っ端から排除してくれるのが免疫細胞さん!(うーーむ。実にありがたい戦士だ。)


そこで、なんとなく見えてくる。

消毒してしまうということは、まず、無差別に敵も味方も殺してしまうということだ。

当然、治りは遅くなる。
その間に、もしも、早々と新手でやってきた敵のパワーが強ければ、感染症などの病気にもなりかねない、ということだ。

しかし、

従来の方法は乾燥療法

消毒した上、傷口をしっかり乾燥させて「かさぶたを作って治す」方法だった。

かさぶたとは、血小板が作ったタンパク質の残滓や修復中に乾燥して死んでしまった仮の細胞に加え、血液中の様々なものが混ざっているもの



そこで、この、かさぶたにも良い点、悪い点というのが出てくる。
    ↓

かさぶたの良いところ。

出血が防げる。
細菌や異物の侵入を防ぐ効果あり。
傷口が勝手に開かないように固定する効果あり。


かさぶたの悪いところ
   ↓
修復細胞達が自由にう身動きができず、非常に窮屈に活動することになる。
もちろん、それでも徐々にかさぶたを押し上げながら細胞の修復をしてくれるが、かさぶたが邪魔なことは確か。
そのため、遅々として修復が進まないことになる。



そういえば、かさぶたが出来ると、ちょっと痒いような感覚があったよね?
あれは、周辺の皮膚細胞がかさぶたを異物だと感じて、何だこれ!邪魔だ!と騒いでる状態なんだとか。


そこで、新たに登場したのが、湿潤療法

傷口を乾燥させずに密閉し、「グチュグチュの状態のまま傷を治す」方法

傷は乾燥させるもの、と長年思い続けていた人には、これはかなり抵抗があるかもしれない。
しかし、最近ではこっちが主流になりつつある。

そもそも細胞というのは、基本的には水分で満たされているからこそ生きていられる。
(もちろん表皮は例外で乾燥に強くできてるけどね。)

そこで、傷が出来た時、乾燥して死んでいく細胞ができると、まだ生きてる細胞たちは乾燥を防ぐため、すでに死んでいる細胞を外に並べて乾燥の盾にする。(←そうだったのか~)

それが、かさぶたってことだね。

その下で、せっせと細胞修復作業をする。(もちろん、かさぶたは邪魔な存在ではあるんだけど・・防御は大事だからね)


そこで・・・

出来る限り細胞たちを殺さずに、しかもなるべく自由に修復活動を行えるようにすることを目的としたのが、湿潤療法

消毒薬を使わない
乾燥させない


しかし、ジュクジュクの状態だと、細菌が入り混んだり繁殖したりするのではないか、破傷風になっちゃうんじゃないか!という心配もあるだろう。

たしかに、最初の傷が出来た段階で入った細菌達も、消毒薬を使わず乾燥しない状態だったら、生き残ってるはずで、当然彼らが繁殖することもできる。

さて、そこで登場してくれるのが、免疫細胞さんたちだ。
傷が出来ると同時に招集され傷口に殺到し、火事場泥棒のごとく悪さをしようとする細菌達を、バッタバッタと切り倒してくれる。
まるで聖戦士のような存在。

聖戦士・免疫細胞イメージ?
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もちろん、ごく稀には、聖戦士・免疫細胞さんでさえ太刀打ちできないような、最強のラスボス的存在の細菌やウイルスもあるそうだが、それは非常に稀。(たとえば、エボラやエイズなど)

そこで、具体的な湿潤療法の治療法は、

1.傷を良く洗う事。
通常は水道水でOK。(場合によっては生理食塩水、時には石鹸などを使うこともあり)

2.消毒液は使わない。

3.ガーゼを使わない

4.乾燥を防ぐために、被覆材を使う。
または、食品用ラップを使うこともできる。
(食品用ラップを傷に直接貼って、その上に体液を吸い取るためのガーゼを当てることもあり、ラップ療法と呼ばれる。
ラップは傷に決してくっつかず、傷を乾かすこともなく、広範囲のすり傷などでは便利で、褥瘡(じょくそう、とこずれのこと)にも使用される。



dressing_top.jpg

いやあ、被覆材というのは、最近では日本の薬局でも、さまざまなものが売られてたんだね~。

また、手術などの医療現場でも、この方法が用いられてきたようだ。
     ↓

手術で切開した傷は、出血が止まれば伸び縮みする透明なフィルムを貼り、抜糸まで貼ったままにすることが多くなりました。
透明なので傷の異常をすぐに外から気づくことができます。



湿潤療法の良い点は、

●傷が早く治る
●痛みが少ない
●傷跡が残りにくい



うん、これは素晴らしい!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

もうひとつ、

湿潤療法と、たぶん・・同じコンセプトで作られた塗り薬があることをご存じだろうか?

それは、紫雲膏(しうんこう)という軟膏

siouko.jpg

この軟膏の発明者はかの有名な華岡 青洲(はなおか せいしゅう)(世界で初めて全身麻酔で手術を成功させた江戸時代の医者)
成分は、ごま油、ミツロウ、豚脂、当帰、紫根というとてもシンプルな内容。

作り方もごま油を熱した中にミツロウと豚脂を溶かしたなかで紫根と当帰を煎じただけ。
とってもシンプルで材料なんで、結構誰でも簡単に作れるようだ。

ナイフの切り傷で使用した人によると、
  ↓

人体が傷を治すとき、ばい菌などの侵入を防ぐためにとにかく早く傷口をふさぐ必要があるので、
ゆっくり肌細胞を作りながらという行程は踏めず、繊維芽細胞から出されるコラーゲン組織で素早くふさいでしまう。
この方法は、確かに傷口は早くふさげる一方、傷の部分は盛り上がった傷跡として残ってしまう。

紫雲膏を塗ったところ、急速に傷口をふさぐ必要がなくなるのか皮膚細胞がゆっくりと再生されると考えられる。



また、成分の説明によると、
    ↓
DSCN1928-35898-thumbnail2.jpg


当帰には、補血活血、止痛という力があり、血を補い、血流を促進し、痛みを止める働きがある。
血流を良くして、血を補いながら、傷を修復する。
紫根は、むらさきという草で、涼血活血、解毒の力がある。
当帰と紫根は傷口を早く治す作用と解毒の作用が役立っている。
豚の脂は、皮膚移植などでも豚の皮膚が使われていたり、臓器移植でも豚の体内で人の臓器を育てるなどの研究が進んでいる。 豚と人間は再生医療の分野ではとても近い存在と言える。



作り方は、こちらのWEBにいくつか載っていたので参考に。
http://manato.gozaru.jp/siunkou.htm

http://mimisclife.seesaa.net/article/401059808.html

http://blog.goo.ne.jp/harumi4567/e/ae900db7857298abb9b858b8763ec431

傷跡をなるべく残さない、痛くない、乾燥させない・・というのは、まさしく、湿潤療法と同じコンセプトのようだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

そこで・・湿潤療法ってどれだけ、従来の治療法と違うのかを試してみたくなってきた。

そんなことは、実際に自分の腕にでも、二つ同じような傷を作って比較してみればすぐわかることだろう。
痛みも治り具合も!

うーー~~。

ところが・・いざとなると、自分でわざと傷をつけるって怖いもんだねえ。(←いざとなると小心者)

しかし、ここにすごい人がいた!
本当に、自分の腕に傷をつけて実験した人がいたのだ。
    ↓
傷はぜったい消毒するな

こりゃもう、感謝、感激、脱帽・・・だ!
ぜひ、この結果をご覧ください!!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さて、ここであえて湿潤療法の難点をあげるとすれば・・これって・・ちょっと手がかかるものかもしれないのだ。

乾燥療法は、よーく消毒した後、適度にガーゼを変える程度で放っておけばよかったけど、湿潤療法は状況をよく見極める必要もあるだろうし、また、症状に合わせて被覆材やラップを何度も変える必要もでてくるだろう。

もちろん、湿潤療法といっても、一切、消毒薬を使うな!ということではないようにも思う。
傷の状態・・かなりやっかいな細菌が入り込んでると思われるような状況や傷の具合などによっては、一時的に消毒薬が必要な場合だってあるだろうし、ドライな状態にした方がいい場合だってありえるかもしれない。

臨機応変ということは言うまでもないし、また、少し大きな傷や深い傷の場合は専門医の判断してもらうことも当然だろう。


そしてさらに付け加えるならば、治りが早い!といっても、もちろん一概には言えない人たちだっている。

たとえば、こういった人たちは傷の治りが遅いそうだ。
      ↓


●治りにくくなる薬を飲んでいる(免疫を抑制するなど)
●糖尿病がある
●血液の循環が悪い



常日頃から免疫細胞が活発に動けるような健康体でなければ、ひょっとしたら・・こういった人たちには感染のリスクを高めてしまうのかもしれない。

・・・・・・・・・・・・・・・

なーるほどねえ~。

こうやって乾燥療法と湿潤療法を比べていて、ふと思ったことがある。

つまるところ、考え方には2種類あるということじゃないかな。

◆疑わしき者は味方共々まとめて殺せ
◆とりあえず、敵味方含めて皆を活かす


そういったことだと思う(笑)

まとめて殺すことで仲間を見捨てることよりも、仲間を信じてバックアップに回る方法というのが湿潤療法かもしれない。

聖戦士・免疫細胞さんを信じて、食糧支援をしながら、じっと見守る。
そりゃ、絶対的な信頼がなければ無理だけど・・。

私たちは、自分の体の免疫細胞をどれだけ信じられるだろうか。
それよりも、日ごろから免疫細胞を痛めつけてはいないだろうか?

うーーむ。

参考↓
http://stonewashersjournal.com/2015/02/03/injury/2/

https://www.koseikan.jp/visit/medical_column/list/detail/column_739.html

Overview of Wound Healing in a Moist Environment


http://www.advancedtissue.com/debunking-wound-cares-biggest-myth/

http://www.surgerysupplements.com/keep-wounds-moist-or-dry/

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アリゾナ州セドナにて、アクセサリー工房Alizona*銀の月*をオープンしてる銀月です!

日々の生活や体験の中から、社会のこと、スピリチュアルなことなど・・思いつくままに書きつらねてます。

皆様にも「スピリチャアルの意味」「生きる意味」を感じて頂けたら、幸いです!☆

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