平安時代にもいたぶっとんだ常識外れの姫君

今年2016年になってまだ、半月過ぎたばっかりだというのに、相変わらず世界中ではテロ事件だとか、イランとサウジの断行だとか、イスラエルがどうしたとか・・・それに加えて、あっちこっちの激しい気象状況だとか・・・そんなニュースばかり~。

「でもねえ、日本のニュース番組みてると、SMAPの話題で盛り上がってるくらいだよ。」
と、日本にいる友達がメールで教えてくれたんだけど・・

「SMAP? えすえむえーぴー問題って何? ごめん、それ何の略だっけ?」

「はあ? 何言ってるのよ! エスエムエーピーじゃなくって、スマップ!芸能ニュースよお!」

「ああ、そうか~。 私だってスマップは・・知ってるもんね!」

それにしても・・日本ではスマップが解散するかしないかってことの方が、テロ事件よりもトップニュースになっちゃうのか~。


日本て国は不思議だ! 
これがいいい事か悪いかは別として・・みんなが同じニュース、しかも・・芸能ニュース一色になってしまうとは・・。
少なくとも、アメリカでは考えられないことだ・・。

不思議な国、日本!

さて・・きょうは・・暗い時事問題を話題にする気もおこらないし~・・・・どうせなら、不思議な国日本の、ちょっとステキな話をしてみようと思う。

・・・・・・・・・・・・・・・・・
実は、昨夜、夢枕獏の本、「陰陽師シリーズ」を読んでいたときのこと、そこに、むしめづる姫・・という話が載っていたのだ。

これが、なかなか面白くって・・露子姫というお姫様が登場する話。

露子姫というのは、従三位・橘実之の娘さん。 従三位といえば、なかなか身分の高い貴族のはずだが・・その娘さんが、なんともかなり変り者のお姫様。

もう、18歳になるというのに、大の虫好き!
毎日、虫ばかり集めて観察するのに忙しく、化粧もしなけりゃ、着飾ることもしない。

平安時代の女性というのは、眉毛を抜いてお歯黒をしてたそうだ。
今の時代から考えると・・げ!って思うんだけど、眉毛があるってことは目の上に虫でもくっつけてるみたいで気持ち悪がられたそうで、歯ぐきが見えてしまうのも気持ち悪がられたんだそうだ。
なので、お歯黒・眉抜きは、この時代の一般的な女性の姿だったそうだ。

しかし、この姫君は、自然が一番!といって、まったく、そんなことはしない!
しかも、十二単を着るわけでもなく、水干を着る。

水干(すいかん)というのはこれ↓
suikan.jpg


つまり、これって男の服ね!
*唯一、女で水干を着たのは白拍子だけ。 それも・・舞い衣装として着ただけだからね~。 白拍子といえば・・源義経の愛妾だった静御前が有名か~。

こんな男の格好をして化粧もせずに、しかも、当時の高貴な女性は常に御簾の中に隠れてあまり姿をさらさないはず・・なのに、露子姫は、何かに夢中になると御簾の外に平気で出てしまう。

彼女の興味の対象は、自然の草花、動物、虫・・・なかでも烏毛虫(カワムシ)・・つまり、芋虫、毛虫の類のこと、が大好きだったらしい。

何を食べるのか?
どういう過程を経てサナギになって蝶になるのか?

きっと子供のままの好奇心を持ち続けて大人になり、烏毛虫(カワムシ)を飼い、観察し、羽化させることが無上の喜びだったのだ。

そういえば・・私が子供の頃にも、虫好きな子ってクラスに数人はいたはず。
私はどっちかというと、虫は苦手だったけどね~。
でも、そういった子は、決まってファーブル昆虫記なんてものを愛読してたっけ。

ファーブル昆虫記とは:
『昆虫記』(こんちゅうき、フランス語:Souvenirs entomologiques、1879年 - 1907年)は、ジャン・アンリ・ファーブル<1823-1915>の代表作。世界各国で翻訳されており、日本でも『ファーブル昆虫記』として親しまれている。
Wikiより



ところが、ファーブル昆虫記というのは、日本で爆発的に売れたそうだけど、フランスではほとんどマニアックな人にしか知られてなかったそうだ。

フランス人は、犬より小さなものには興味を持たない。
ましてや、虫なんてもっての他だ!

と、思ってたらしい(笑)

それに比べると、日本の文化には、秋の夜長の虫の声、夏の終わりの日暮らし、蛍・・など、季節とともに、虫を身近に感じる国民性があったんだろうねえ。

だからこそ、ファーブル昆虫記も、日本ではブームになったのかもしれない。
虫は日本人には、身近なものかもしれない。


さて、話を露子姫に戻そう。

いくら虫を身近に感じる日本人とはいえ、毛虫をかわいがり観察する人は、やっぱ今でも変人扱いだろう。
まして、この平安朝の時代、高貴な姫君、しかも・・・露子姫はかなりの美形なのだ。

当然、父君は、宮中に出仕させるか、高貴な家柄の男性に嫁がせたい!と願っているのだが、露子姫には、まったくその気がない。

「もうちょっと世間体を気にしようよ~。」
という父親に、
「人の目を気にする必要はありません!」と、ぴしゃりと返す。

「じゃあ、せめて毛虫はやめたら! お隣の姫は美しい蝶が好きなんだそうだよ。
蝶を愛でるんだったら、まだいいんだけどね~。」
という父親に、

「お父様、もっと物事の本質を見た方がいいんじゃない? 毛虫が蝶になるのよ。
お父様が着ている絹だってもとをただせば蚕でしょ。 蝶が美しいから愛でるというのは見た目で判断していることで、物事の本質は何も見えてないということよ。」

などと、返される。

つまり、誰も反論できなくなる。
理路整然とした姫には、口では誰もかなわないのだ。


結局、父親は困り果て女官たちも気持ち悪がって近寄れない始末。

そこで、露子姫は、近所の悪ガキたちをつかって、さまざまな虫集めをさせている。
集めさせた虫の絵を書き、生態を研究する日々。

露子姫の動植物への知識、そしてその絵もまた、並はずれたものがあったようだ。

うーん。 まるで・・現代のさかなクンみたいなものか~。
   ↓
sakanakun.jpg


素材は美少女で博識で頭が切れて研究熱心な高貴な姫君・・だけど、当時としては非常識極まりない変人として扱われるだろう。
いや、今だって、おさかなクンだって、どっちかと言えば、知識はすごいけど変な人だよね~と言われてるくらいだから。
(さかなクン、たしかにキャラはヘンかもしれないけど・・ところで、今はどうしてるのか?)

そんな娘の将来を案じた父親は、播磨の陰陽師・蘆屋道満に相談を持ちかける。
道満は蟲毒の法を用いて、呪祖の掛かった烏毛虫を作り、露子姫がそれを飼うように仕向ける。
毛が無く、真っ黒で赤い斑点がある気味の悪い毛虫だ。

そんな不気味な烏毛虫が際限なく成長するのを見れば、気味が悪くなって虫への情熱も冷めるだろうし、きっと捨ててしまうだろうと思ったのだが・・露子姫はまったく意に介せず烏毛虫を飼い続ける。
どんなに大きくなろうとも、愛情と好奇心を持ち続けて大切に育て続ける。

そのうち、呪祖の掛かった烏毛虫は今や牛ほどに育ち、サナギになるに至った。
そうなると、父親である橘実之の方が怖くなって安倍晴明に泣きつくことになる。


ところが、安倍晴明は何もしない。
蟲毒で作った烏毛虫から何が生まれるかは、わからないと言う。
生まれてくるものは、式(つまり、この世のものではない魔性もの?)ではあるが、まだ式神ではないのだと言う。

「あれを飼っていたお方の心が、生まれてくるものを決めるのだ。」

「露子姫が、どなたかを殺してやろうと恨んでいれば、それは生まれた途端にその方のところまで行って、祟りをなそことになるであろうな。」
と、安倍晴明は平然と言う。


そして、その夜、サナギから孵るところを露子姫と一緒に見るために出かけて行った。
何が生まれるのかな~と~♪

やがて、月明かりの中で羽化したのは、一点の穢れもない、はっとするような美しい翅を持った式神。

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こんな月夜かなあ↑

月光の中で孵化したばかりの式神が羽を広げる姿を想像するだけで、ぞくぞくするような美しさがある。


心の底から生き物を愛する少女が育てたのだから、当然の結果だろうね。

話はそこで終わるのだが・・おそらく、それは、式神として露子姫の僕として一生、彼女に使えて守ってくれる存在になることだろう。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

こんな露子姫の話、夢枕獏さんという作家、よくもまあ、思いついたものだなあ・・と感心してちょっと調べていたら、ちゃんと古典にあったんだね~。

堤中納言物語(つつみちゅうなごん)
の中にある、「蟲愛づる姫君」(むしめづるひめぎみ)という話。
古代日本では、昆虫以外の蛙(カエル)などの小動物も蟲(ムシ)と呼んでいたようだ。
蜘蛛や蛙、蛇も、虫ではないけど、ちゃーんと漢字に虫ヘンが付いている。
蟲と書くのと、虫と書くのと、受け取るイメージはかなり違うもんだね。


この「蟲愛づる姫君」の姫と、露子姫はまったく同じだったのだ!

堤中納言物語

平安時代後期の短編集で、10編の作品が収められているけど、堤中納言という人物はどこにも存在していない。
「物語をつつむ」から「堤」になったのではないかなどとさまざまな意見があるようで、結局のところ、作者・成立年代ともに不詳。

古典に題材をとってそのイメージをふくらませて、この作品が出来たということでしょうが・・・実にお見事!
そういえば、古典に題材をとった作品といえば・・芥川龍之介さんもそうだったけど、作家の手にかかると、ほんとうに見事なものなんですねえ。。。


そして、さらに思ったこと
   ↓
古典にあったということは、平安時代にも、こういった姫が存在していたのかもしれない、モデルがいたのかもしれない・・と思えてくる。

また、もしも、モデルが無く、作者(誰だか知らない人だけど・・)の想像だけで書かれたとしても、作者自身がこういった感覚を持っていたということになる。

常識にとらわれず、人目を気にすることなく、自然を愛しそこから自然の理や真実をみつけようとする姫。

こういった姿勢は、平安朝も今も共通するものだってことだね。(まあ、どの時代も変人扱いというのも同じでしょうが・・。)
いやいや、平安朝どころか、時代なんて関係ないのかもしれない。

原作の堤中納言物語の中の姫は、やはり素材はかなりの美形、そこで、ある貴公子が興味を持って姫に近づくんだけど、最終的には、

「かは虫にまぎるるまゆの毛の末にあたるばかりの人はなきかな」と去っていく。

(毛虫と見間違えるようなあなたの眉毛の先ほどににも私はふさわしい男ではない)というような意味だろう。

どこの時代でも、貴公子なんて凡人には理解できない世界かもしれない(笑)

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なんだか、美しい日本の月がみたくなった!

それと~、式神、欲しいよな~!!

そうゆう凡人の私も、式神なんて手に入れることができるはずもない。





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アリゾナ州セドナにて、アクセサリー工房Alizona*銀の月*をオープンしてる銀月です!

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