イスカリオテのユダの謎(その1)

あるストーリー、たぶん、それは小説だったと思うのだが・・さて、それがなんてタイトルだったか、だれが書いたものか、ずーーと思いだせない。

思い出せないつーのは、ずっとモチが喉に詰まってるつーか(←死ぬぞ)、便秘というか・・とにかくすっきりしないのだ。

えーーと・・・それを読んだのは、たぶん私が高校生くらいだったかな。(←何年前だあ?)

その内容でさえ断片的にしか覚えてない。

ただ覚えてるのは、ユダの話(キリストの弟子だったくせに、キリストを銀貨30枚だったかで売った裏切り者)だったこと。
ユダは、暗くイジイジと、切ないほどのキリストへの愛(かなり歪んだ倒錯的な匂いあり。)で、それゆえ愛する人を裏切っちゃったみたいな話だったと思う。


そんな語句を入れてインターネットで検索しても、ヒットしないんだよねえ。(←あたりまえ)

ところが、なんと!

たまたま、風呂場でプラスチックハンガーを踏みつけて、バリッっとなった瞬間、思い出した!

タイトルは忘れたけど、それは、たしか太宰治の短編小説。
(ところで・・モノを壊した瞬間、人は何かを思い出すものだろうか? 前にもケイタイを壊した瞬間思い出すということがあった。)

ここまでわかれば、あとは簡単に検索できる。

あった~!  

これ↓(しかも全文をみっけ。)
駆け込み訴え


ウン十年ぶりで読み返すと、いやあ、実に太宰治さんらしいつーか・・・。
でも、やっぱり、いいよなあ~この恋愛小説?!(←そう呼んでいいんだろうか?)


まあ、そういった文学感想はここでは置いといて・・

昔々これを読んだ後、イスカリオテのユダという人物に興味を持ってしまって、彼について調べたことがあったんだよね。


<イスカリオテのユダについて素朴な疑問>

ユダといえば、世の中で一番卑劣な裏切り者の代名詞みたいに言われてる人だし、キリスト教世界では、そりゃもう、嫌われ者、悪魔扱いされてる人物。

judas iscariot
イスカリオテのユダ↑ Jesus Christ Superstarから

だけど、昔も思ったんだけど・・ユダって、本当にそんなヒドイ奴だったんかなあ? 本当に銀貨30枚でキリストを売ったのだろうか?
という疑問が湧いてきた。
そこで、それなりに調べた記憶がある。



●銀貨30枚とは、どの程度の価値か・・・・だいたい、当時の奴隷一人、または牛一頭くらいだそうだ。
現在のお金にしてどのくらいかは難しいところだけど、1か月分の給料くらいか、または50万円~100万円? 間違っても1千万とか1億とかはありえない。

●ユダの家は裕福な商人だった。 しかも12人の弟子の中で唯一会計係をまかされていた。
おそらく他の弟子たちよりも教養、知識もあったと思われる。



もともと裕福だったユダが、キリストの弟子になる。(どうゆういきさつかはわからないけど。)
そして当時のキリストさんといえば、伝道した地域は狭いガリラヤ地方に限られてるし、期間も1~3年、信者はせいぜい多くても数千人くらいか? 

この程度の宗教運動なら、当時は他にいくらでもあっただろうし、いずれは他の多くの宗教と同じく、歴史の中で消え去る運命にあった可能性は大。(ところが、実に見事に活用(利用?)されて、いつのまにか世界中に広まってしまったけどね。)

ユダが、そんなキリストさんの弟子になった・・ということは、よっぽどキリストさんに心酔したか、または、その教えに心酔したか、さもなければ、その両方だったかもしれないけど、とにかく彼によっぽど惹かれたからだと思うのだ。

うーん、そういった状況から見ても、どうみたってカネ目当てだったとは考えにくい。


それから、ユダに何が起こって心境の変化があったかもしれない。 
でも、やっぱお金のため、それもたったの銀30枚のために裏切ったと考えるのには、どうも無理がある。

●しかも、キリストを売ったあと、もらった銀を返そうとするけど、受け取ってもらえなかったんで神殿に銀を投げ入れて首をつって死んだ。 罪の意識に苛まれて自殺しちゃったってことになってる。【マタイによる福音書】

ユダは裏切りで得た金で買った土地に真っ逆様に落ちて、内臓がすべて飛び出して死んだ 【使徒言行録】
ううっ、スプラッターだ。。。

ちなみに、ユダについて記述があるのは ⇒ (マタイ福音書 10・2~3,マルコ福音書3・16~19,ルカ福音書6・13~16,使徒行伝1・13) どれも、ボロクソ書かれてるけど・・。すべての新約聖書に記されてるわけではない。



なんで、わずかなカネで、そこまで心酔してたであろう師を裏切っといて、そのあとすぐに、良心の呵責に耐えきれず、自殺しちゃうのだ???

意味わからん!

ほんとだとすると、あまりに短絡的じゃないかなあ。
なーんかツジツマが合わないんだよねえ。

そういえば、これはヨハネによる福音書の中の一説だが、こんなことが書かれている。

マグダラのマリアが、高価なナルドの香油を一リトラ持って来て、イエスの足に塗り、自分の髪でその足をぬぐった。
家は香油の香りでいっぱいになった。

そこで、イスカリオテのユダが言った。
「なぜ、この香油を三百デナリオンで売って、貧しい人々に施さないのですか。」と。



narud.jpg



そーだ、そーだ! 
ユダの言うことの方が、筋が通るってるぞ!
なんで、他の弟子たちは、そこを突っ込まないんだ!


しかし、これには続きがある。

彼がこう言ったのは、貧しい人々のことを心にかけていたからではない。 彼は盗人であって、金入れを預かっていながら、その中身をごまかしていたからである。

イエスは言われた。「この人のするままにさせておきなさい。わたしの葬りの日のために、それを取って置いたのだから。
貧しい人々はいつもあなたがたと一緒にいるが、わたしはいつも一緒にいるわけではない。」



つまり、ユダはもともとカネに汚いやつで、会計係という役職を利用して横領してた・・・ってことらしい。

ますます、おかしい・・・。

オカネ大好き人間で、しょぼいチョロまかしをするくらいなら、そもそも、駆け出し教祖だったキリストの弟子になる必要はないんじゃあいかなあ。 イエスに不満があったなら、さっさと辞めちゃえばよかったことだし。
そもそも、ユダはもともとはお金持ちの出だよなあ。

どう考えたって、これはユダを貶めるために書かれたとか思えない記述だよね~。

・・・と、当時の私は思ったのだ。(今もそう思う。)

注: 実は、この高価なルルドの油の箇所については、色々と牧師さんの腕のみせどころ?らしくて解説が色々あるんだけど、どれを見ても私には納得できる解釈はなかっただよね~。

こうなったらもう、やっぱ、太宰治氏の小説、「駆け込み訴え」しかないよなあ。

また、ロックオペラの、「ジーザス・クライスト=スーパースター」も、ジーザスを愛するがゆえに、その暴走を止めるために裏切るって話だったけど、私としては、こういった話の方がずーーとすっきりする。

不条理と言われようが何と言われようが「切ない恋心」ゆえに・・恋とは不条理なものだから (笑)



<なんだか矛盾してるところ>
実は、まだまだヘンだなあ?と 思うところはいくつかある。

とにかく、ユダが出てくる箇所は、非難、罵倒の嵐で、気の毒なくらいだ。

そのひとつ。
    ↓
●イエスがユダに対して・・「生まれてこなかった方が、その者のためによかった」 【マルコによる福音書】

これって、ひどすぎない??
アイツは、生まれてこなきゃよかったんだ!・・・って!!


でも、新約聖書によれば、イエスの教えは「比類なき絶対愛」のはず。
だったら、何があったとしても、そんな言葉で自分の弟子を貶めるはずはないと思うのだ。

人ってものは、100パーセント信じてた人に騙されてたとわかったときにはショックで逆上のあまり、そんな事言っちゃうかもしれないけど・・・。 (←だったとしても、なんと器の小さいヤツってことになる。 もしも冷静に言ったとしたら、もっと怖いヤツだ!)

しかし、イエスはただの人ではないはず。

●「イエス=神の子」とされてるわけで、全知全能の神の子が人間にだまされるわけがないんだよね。

キリストは、最後の晩餐のときに、「この中の一人が私を裏切る。わたしがパン切れを浸して与えるのがその人だ」と言って、それから、パン切れを浸して取り、イスカリオテのユダに与えた。【ヨハネによる福音書】



という有名な箇所があるけど、やっぱ神の子だし、最初からわかってた!ということになる。
(それにしても・・・いくら裏切りを見抜いていたとしても、他の人の前でこんな暴露の仕方するかなあ? あんまり気持ちいいものじゃない。)

キリストは神の子、当然ユダの裏切りも予測していた。 
だけど、キリストはユダによってローマの官憲に引き渡されてゴルゴダの丘で磔(はりつけ)にされる。

なんでキリストは知ってて逃げない? なんであえてユダに裏切り行為をさせたんだ?

キリストは人間の罪を背負うために、あえて磔にされたという説もあるけど・・・じゃあ、永遠の裏切り者にされちゃったユダの立場はどうなるわけ?

isukariote.jpg
↑映画 Son of Godより

●さて、イエスが捕まったあと、他の弟子たちはどうしてたのか?

イエスが引き立てられてゆく時、 他の弟子達は巻き込まれるのを恐れさっさと逃げちゃった。
ペテロは、「お前はイエスの弟子だろ?」と 問い詰められると、「そんな人、知らないもんね!」
と否定し、最後にはキリストに対して 呪いの言葉さえ吐き掛けたそうだ。

もちろん、自分の保身のために。

結局、誰1人としてキリストをかばおうとはしなかった。

でも、復活したイエスの深い愛によって彼らは許され、彼らはイエスの愛に感動し、聖人となった。

『マタイによる福音書』『マルコによる福音書』



ええ??
そんなのアリですか~?


売ったユダが裏切り者なら、見捨てた奴らだって同類だろうが!
見捨てて逃げてイエスに毒舌ついた連中は聖人なんかい?
その後悔い改めればそれでいいって問題かあ??


だったら、ユダはどーなんのよ?
ユダだって悔いたからこそ 自ら命を絶ったんじゃないのかい?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ここらへんが、どーしても新約聖書の納得いかない部分。

どう考えても、ユダの裏切りには謎が多い。
そして新約聖書には矛盾があるのだ。 

もちろん、それぞれ牧師さんのお説教の中では、そういった箇所をとりあげて説明してくれてるんだけど、どれも聞けば聞くほど納得できなくなる。

非論理的すぎるのだ。

もっとも、宗教というものは、創始者や聖人の経験を絶対的真実として、「考える前に信じなさい」ということなんだろうけど。

しかし、この世は原因と結果で成り立っている。
因果の法則を忘れてはいけない。
思弁的アプローチを放棄すれば、真実への道は閉ざされてしまうのだから。

そしたら、ユダの汚名は永久に消えないことになっちゃうし~。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

じゃーーーん!(←銅鑼の音のつもり)

そこで登場するのが、ユダの福音書


でも長くなりそうなんで、いったん切って次回ということに~。

<次回へ続く>

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Author:gingetsu2010
アリゾナ州セドナにて、アクセサリー工房Alizona*銀の月*をオープンしてる銀月です!

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