13日のパリのテロ事件から山上の垂訓を思い出す

きのう、外出先で知り合いのメキシカン女性にばったり出会った。
たぶん、彼女は50代?と思える中年女性だ。
こちらでは、メキシカンというと、背が低くて小太りで英語もちゃんと話せない無教養な人々というイメージが強いようだが、彼女は、まったくそのイメージとは正反対に見える。

しばらく! 元気!という挨拶もそこそこに、彼女はいきなり話し出した。

「きのうの13日の金曜日の夜、パリの同時多発テロのニュース見た?」


アメリカのTVでも、どこの局でもずっと緊急特別報道をしていた。 知らないわけがない。

「ああ、知ってる。。。死者は130人近いとか。13日の金曜日に合わせて、あえて決行したのかあ。」

「そうかもね。 それにしてもなあ・・」

「うん。。。そーだねえ。」

私も彼女も、あーあ、というため息をついたまま、そこから話が続かなくなった。

お互いに、それぞれ思うところはあるものの、言葉にできないのだ。

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The Paris terror attacks: What we know now

事件の起こった地域は、パリ11区だという。

しかし・・フランス政府に対する抗議や報復なら、なぜ、16区を狙わないんだろう?
16区というのは、ブルジョワ階級の住む地域で政治家だって多いはずだ。

Parismap1.gif


11区というのを調べてみると、

人口密度が高く繁華街も多く、劇場、カフェ、レストランも多い。 したがってさまざまな人種も多い地域らしい。

ああ、なろほどね~。
セキュリティーの網を潜り抜けて、雑多な人種に混じれば、事が起こしやすいということだ。

それだけの事だったんだろう。。。

・・・・・・・・・・・・・・・・

ちらっとFacebookなどを覗いてみると、さまざまな議論が白熱している。

「だから、イスラム系の人々は危険なんだ。国から追い出すべきだ。」

「イスラム系国家なんて、さっさと全部滅ぼしてしまえばいいんだ。」

「シリア難民救済なんてとんでもない。テロリストが多く紛れ込んでいるに決まってる」


こんな過激なものまである。。。

イスラム教徒=過激な人々=テロリスト
みたいなイメージを作り出してしまう。

そして、
シリア難民=イスラム系人々= すべて危険

と、刷り込まれてしまうのだろう。

これじゃあ、日本人全員がオウム真理教の実行部隊と思われて、日本人は危険だ!と言われてるようなものだよなあ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

まさに、911後のアメリカと同じなんだよね~。

たしかに、あの映像を見た人々は多大なショックを受けただろう。
ましてや、大切な人々を失ってしまった人々の気持ちは。。。

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そして、こんな人々が増える。
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その間に、

愛国者法なんてものが、またたくまに出来てしまい、


●新たなテロを未然に防ぐために、
「すべての必要かつ適切な軍事力を用いる権限」を大統領に与える合同決議「軍事力行使許可法」)

2009年3月2日にアメリカ合衆国司法省が公開した、ブッシュ政権の政府高官達が作成した対テロ政策秘密メモ類によれば、“テロ容疑者”に対する捜索は大統領の政策であり憲法修正条項(第1条・第4条)の制約を受けず随時行なわれてよいし、また“戦時に人権は制限され得るべき”と記されていたという



●新たなテロを未然に防ぐために、
治安当局の情報収集権限を大幅に拡大。 テロ容疑者と思われる人々の電話やメールでの交信を盗聴する大きな裁量権が与えられた。


これって・・・テロを防ぐためにという大義名分を掲げれば、すべての人々のプライバシーを調べることができるし、また、どこにでも先に戦争をしかけられるし、しかも戦時では人権無視もOK・・・ということにもなるよね。

やられる前にやっちまえ!ってことか~。
実際、イラクは、大量破壊兵器を保有するテロ支援国家ってことで、イラク戦争をはじめちゃったわけだしね~。


そして今また日本も、こういった国を目指してるんだろうか。

欧米列国と変わらない、フツーの国に向かって。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

テロリストたちの心に何があるのかはわからない。

大切な人たちが欧米諸国の爆撃で殺された恨みか、洗脳された正義を植えつけられてるのか、それとも狂った殺人マニアなのか?

いずれにしても、深い悲しみ、憎しみ、恨みといった強大なネガティブパワーが炸裂すれば、こういった事件を引き起こす。


その結果、今度は犠牲者の遺族たちにも、同様なものを植えつけてしまう。

そうやって、ネガティブな連鎖はますます広がっていく。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

急に、イエス・キリストによる、山上の垂訓(さんじょうのすいくん) Sermon on the mount というのを思い出した。

sermon.jpg

どこかの山上で、弟子たちと群集に語った教えのことで、マタイ伝、ルカ伝にも記されてるそうだ。

その中で有名な言葉は、この言葉↓

「しかし、わたしは言っておく。悪人に手向かってはならない。
 だれかがあなたの右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい。」


だからと言って、殴りたいならこっちの頬もどーぞ!ってマジで差し出せってことじゃないだろうし、無抵抗主義を貫くためには、目の前で自分の息子が殺されても黙って見てなさいって事でもないだろう。・・・実際、こう解釈する人たちもいるらしいけどね。

これが、本当にイエスの言葉だったのかどうかは別として・・・(そんな説もあったけど・・)
これは、徹底した報復禁止の教えともとれる。

結局のところ、どう解釈するかは実にそれぞれ。


ただ、少なくとも・・

どこかで憎しみを終わらせない限りその連鎖は世界中に広がっていく

という問題提起がされていることは確かだ。

でもねえ・・そこで、イエスは明確な答えは言及してないように思うんだよねえ。
つまり、だからどうしろ!とは具体的には言ってない。

そもそも、おそらくホンモノの聖人ならば、だから、どうするべきだ!という答えは言わないはず。
ましては、ホンモノの教えならば、ドグマの強制なんてありえないだろう。

・・・と、私は思うのだ。

聖人ならば、まずは自分で考えろ!と言うだろうなあ(笑)・・と。

で、私たちは、その言葉を考えてきたのだろうか?



2000年を経た今でも、いまだにその答えはみつからない。

それどころか、ますます、ネガティブ連鎖を煽って、ますます恐怖や憎しみが増えていくような気さえしてしまう。

たしかに悲劇の渦中にいる人々には、すぐに冷静な判断をすることは難しいだろう。

ならば、せめて、第三者である人々が考えなければいけないことかもしれないのに。

ずっと、そんなことを考えてしまった。。。

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敵は憎しみ

パリが大好きなので、あの美しい街でこんな事があるなんて哀しいです。胸が痛い。
日系人俳優のジョージ・タケイが彼のFBでこう言っていました。
I'm writing this backstage at Allegiance, my heart heavy with the news from Paris, aching for the victims and their families and friends.

There no doubt will be those who look upon immigrants and refugees as the enemy as a result of these attacks, because they look like those who perpetrated these attacks, just as peaceful Japanese Americans were viewed as the enemy after Pearl Harbor. But we must resist the urge to categorize and dehumanize, for it is that very impulse that fueled the insanity and violence perpetrated this evening.

Tonight, hold your loved ones, and pray or wish for peace, not only from guns and bombs, but from hatred and fear. If it is our freedom and joy they seek to destroy, give them not that victory. Against the forces of darkness and terror, love and compassion shall always prevail. #JeSuisParis

-- George

長くなって申し訳ありません。

Re: 敵は憎しみ

ニコムさん

これを読んでとっても、救われた気分で嬉しくなりました。 


結局、人を色眼鏡で見てカテゴライズしてしまったり、本来のヒューマニズムを忘れてしまうから、こういったテロが起こるわけなんですよね~。また、それによって報復するという気持ちも同様なところから発しているんだなあ、とつくづく実感しました。


人ってこういった事件が起こると、恐怖を憎悪に変えてしまったり、絶対安全を求める方向に行ってしまうんですよね。

そして・・人々が恐怖にかられるあまり、判断力を狂わせたり思考停止に陥ったりすれば、ますます支配者側は全体主義的な暴力行使が堂々とできるようになる。
まさに、911後のアメリカが、そうだったように。


テロによって煽られた恐怖を憎悪に変えたり、絶対安全を求めたりすることでもなく、また、それをなかったこととして無視することでも無い。
本当の敵は、憎しみ・恐怖・無関心といった人の心そのもの。

イエスの山上の垂訓も、きっと、抽象的にそういった事を示唆してたんじゃないかと(笑)勝手ながら解釈しました。


それにしても、ジョージ・タケイさんの文章力もすごい!ですね。
これだけの文章、アメリカの大学出だってなかなか書けない人多いだろうし・・。

戦後の日系人としての、彼のプライドある生き方を垣間見た気がしました。

これをアップして頂いて、本当にありがとうございました!!

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