数の問題_個とマスの違い

国外に逃れたシリア難民の数は、410万人だそうだ。

これが正確な数かどうかなんて怪しいものだけど・・とにかく、今までにない、とんでもない数だってことは、よくわかる。

その膨大な数は欧州を目指す。
たとえば、ドイツを目指したとして・・その距離は、ざっと3500キロ
  ↓
syria_ref_route.jpg

トルコからギリシャへ向かうゴムボートに乗るためには、1人4000ドルはかかるそうだ。
うっ! 家族4人だとしても16000ドル(200万円弱)じゃないか~。

ようするに、まず、お金がなければ難民にもなれない!ということになる。

しかも、シリア難民を標的とする悪徳請負業者も横行しているようで、いったい幾ら要求されるかは、その時次第。

それだけ法外な値段を払ったところで、ボートに乗るときは、定員の2倍以上の人員は当たり前、しかも故障したボートに乗せられ、多くの死亡者を出したりしている。
当然、安全対策なんてあろうはずもない。

refugees_boat.jpg



運よく、ボートで渡り、歩いて欧州各国は入れたとしても、そこでも安心はできない。
好意的に受け入れるはずのドイツでさえ、極右勢力の難民排斥デモや受け入れ施設への放火・襲撃が相次いでいるそうだ。
当然、職を奪われることや難民を受け入れる負担を懸念する住民だって多い。

また、ある国では、難民を食い止めようと国境に通じる線路をフェンスで封鎖し、フェンスに近づく難民に催涙ガスをふきかけたり、水を放って難民入国を防ごうとしている。
難民キャンプでさえも、食べ物を地面に投げて配給するそうだ。

そこには、人権尊重なんて、ひとかけらも無い。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

これは、あくまでも難民側から見た状況だけど・・今度は逆に受け入れ側からみると、

流入してきた難民が、小さなヨーロッパの町を占拠してしまい、スーパーマーケットから食糧を奪い、住民を恐怖にさらした・・・とか・・・・そういったニュースも聞く。

ユーロトンネルをフランスからイギリスへ向かう難民たちも、昔は顔を隠していたりしていたけれど今は堂々と電車を止めているそうだ。

ようするに、数の問題なんだと思う。

赤信号、みんなで渡れば怖くない!という言葉を聞いたことがあったけど、まさに、それかも・・。



「ほ~んと、難民の群れって怖いなあ。 絶対、この中にはテロリストだって混じってるよ。ああ、やだやだ!」
という気持ちになるのもわからなくもない。
そして、極右勢力を支持する人々も増えていくのも無理はないのかも。

数というのは、不思議だ。

難民や亡命者を迎える国では、彼らはマイノリティで弱者なはずだけど、
一定以上の「数」がさらに多くなれば、数は力となり、力は無法行為も引き起こす・・。

そういえば、金融資本主義の社会で君臨する「マネー」だって、
ある額を超えると自己増殖して絶対に減らないという境界の数字があるそうだ。
そう、ある境界線を越えた金持ちは、絶対にお金はなくならない。まさに、金が金を呼ぶというしくみだね。


難民を排除しようとする極右勢力、排除する理由は、宗教の違いやら受け入れ態勢にかかる経済的理由などの前に、まず、その、膨大な数が怖い!ということかもしれない。

弱者でも犠牲者でも集まって行動したら、大きな力となる。何かを変えてしまう力となる。

量は質さえも変えてしまう。

00028261_medium.jpeg
これは、もう、個ではなくマスとしての数でしか見えない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ところが、9月始めに、シリア難民3歳の子供の遺体写真が出回った。
海岸に打ち上げられていたという。
      ↓
海岸に打ち上げられたシリア難民男児の遺体…写真を受け反響広がる


この写真が載せられて、そして、この子供の名前が知られて・・・はじめて、人々は難民集団の中に、個としての「人間」をみたようだ。

このときばかりは、極右勢力に傾きつつあったヨーロッパの空気がいっせいに変わったそうだ。

だけど・・・実際には、
今までに、何百人もの遺体はみつかっている。
子供の遺体だって、何もこの子供に限ったことではないのだが・・・、
しかし、なぜかそれは報道されていない。

つまり、
いつ、どのようなタイミングで、どの写真を載せて報道するか?によって、世論はいかようにも動かせるということだ。

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そういえば、ずーーと前だったけど・・皇居のカルガモ一家というのが話題になったことがあった。 (←なんで、私はシリア難民からカルガモ一家を思い出すんだ?)

警察官まで、カルガモ一家のお引っ越しのお手伝いをしてたらしい(笑)
karugamo.jpg

たしかに、微笑ましい風景ではあるけど、場所が変われば、イネなどを食害する害鳥とされて大量に殺されるし、カルガモ撃ちだってある。


また、私が数年前に日本に行ったとき、朝のTV番組で、アザラシのたまちゃんなるものを知った。(←なぜ、アザラシのたまちゃんの話に飛ぶ?)

多摩川に出現した、アザラシにたまちゃんと名前までつけて、日本国民中がフィーバーしてる・・ってことだった。

しかし、その報道を見て思ったものだ。

漁業被害を起こすという理由で、毎年何百頭と殺されるアザラシについては、誰も考えないんだろうか。
毛皮をとるために、生後3カ月以下のアザラシが大量に殺されてるって話だってあるのに、きっとそういった事実でさえも知らない人も多いのかも。

azaeashi.jpg

まあ、そんなものだろう。。。

平和な都会で、たまたま個として存在して、「いつ、どのようなタイミングで、どの写真を載せて報道するか?」が、ばっちりはまれば、その個体は、名前までつけて大事に保護される。

人々は、かわいい動物映像を見て癒され、動物を愛する「優しい気持ち」になったという。
さらに、「カルガモ効果」や「たまちゃん効果」で、そのイメージグッズは売れて、経済効果も生みだしたという。

うーーむ。

たしかに、こういったマスメディアが善意を煽ることは、とても良いことなのだろう。
きっと、いいことなんだろう。。。
少なくとも、憎しみを煽るよりもずっといいからね。

だけど・・・なぜか、大衆が煽られた「優しい感情」は、その場限りの自己満足でしかないような気がする。

報道されなくなったとたんに、リセットされてしまうようにも見える。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・

大量の数と個体の違い。

報道された、いたいけな難民の子供も何百万もの難民の一つに過ぎない。

どこにスポットを当てて見るかによって、人の感情が呼び起こすものはまったく違ってくるということだね。

難民に向かって催涙ガスを浴びせる人も、家に戻れば優しい父親だったりすることもあるだろうし・・。



ハリウッド映画界では、「映画作りに悩んだときは、いたいけな子供か動物を主役にした映画を作れば、まず、失敗は間違いない」という言葉があるそうだ。

勧善懲悪、勇気、人類愛の普遍性、ニューマニズムってのは、ハリウッド映画の使い古されたような定番だけど・・・
そこに、「巧みに計算されて作られたもの」を感じてしまうと、私は、なんとなく、心の中に、ざわざわしたものを感じてしまう。

しかし・・私もまた、作られた映画や報道映像を見せられる、大衆の一人であり、大衆というマスの一部でしか過ぎない。
しかし、私個人を主張するならば、「私は、ひとつの人生を抱えた個であり、感情のある人間なのだ。」
ということになる。

自分はそうなのに・・・
どうして人は、これを難民集団としか見えなくなってしまうのだろう。
     ↓
syria-refugees.jpg


個とみるか、集団とみるか?

集団となったとき、個としての心理はどう変わるのか?

一人では渡れない赤信号も大量になれば渡れるし、車さえも止めてしまう。

こういったことを、どう考えていけばいいのだろう?


ただひとつ言えることは、

たとえ、自分がどっち側にいようとも、

個としての自分自身と集団も個の集まりだということを忘れてはいけない気がする。

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