ある会計士さんの死

ホセが誰かのお見舞いで、きょうは病院に行ってきたらしい。

「え? 誰のお見舞い? 友達?」

「違うよ。 もう、10年は会ってない人で、仕事での付き合いしかなかった人・・・会計士さんだった人なんだ。」

「へえ~、なのに、ホセに会いたいって連絡が来たの?」

「そうじゃないんだ! 病院から連絡が来たんだよ・・僕だけじゃなく、その会計士さんの連絡先ノートに書かれてた人全員に、病院が連絡したのさ。 
その人、もう長く持たない状態でICUに入っててね、しかも、身よりが無いんで、なんとか病院側では支払いをしてくれる人を探してるってわけだよ。」

「会計士さんで・・・身よりが一人もいないの?」

「そう。。。もう、おじいちゃんで一人暮らしで、しかも一人息子は日本に住んでるはずだ・・って、昔本人が言ってたけど、ずーーと疎遠で会ってないから、どこに住んでるかも知らないんだって。
しかも、本人は破産していて、今では家も車もなく、ただ病院に入院してたらしいんだ。」

「えええ? 会計士さんがホームレスってわけ?? 
きっと何度も手術をしたり、入院が長くて財産全部を処分することになっちゃったのかなあ。」


私は勝手に想像をめぐらせてみる。
もしも、かなりいい保険に入ってなければ、1泊5000ドルなんて当たり前のアメリカでは、よくありがちな話だ。

「そうかもね~。 実際のとこ、僕も他の仕事仲間も、もう10年は会ってないんだから、まったくわからないんだ。その間に彼に何かあったんだろうね。」

「ふうん。 まさに、人生は色々あるもんなんだね~。」

「で、病院としては、もう死んでいく人間に延命装置を着けて生かしておきたくないんだって。
はやくベットを明けたいんだけど、今までの支払いもたまってるから、誰か書類にサインして支払いしてくれる人をみつけるまでは2-3日は延命装置を着けて生かしておくしかなかいそーだ。 」

「まあ、そりゃ~病院だってビジネスだからね~。でも・・・なんだか嫌な気分だね。」

「まったく嫌な気分だよ。 病院側から、こんなことまで言われたよ。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<<以下は、ホセ&仕事仲間と病院事務局との会話>>

「なんとか、あなた方の誰でもいいんだけど、この書類にサインしてくれない?
ウチとしては、早く延命装置を切りたいんだよね。
これは、支払いとは別の、延命装置を切ってもいいですよ!って書類のサインなんだよ。」

「ちょっと待ってくださいよ。僕たちは、ただの取引先でビジネス上の関係しかないんですよ。
それなのに、延命装置を切っていいのかどうかなんて、親族でも無いのに、そんなことを決定する権限は無いですよ。
もしも、サインしてしまったあと親族が現れて、それで問題になっても困るし・・・。」

「まあ、そうなったらそうなったときで、そっちでうまく解決してくれればいいでしょ。」

「そんな無責任な・・!」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ええ? そんな会話してたの? 
本人が寝てる前で・・・彼に聞こえてたんじゃないの?」


「うん、彼は全部聞いてたよ。
もう、肉体を抜け出して上にいたから。」


サイキックのホセには、幽体離脱していた彼が見えていたらしい。

「で、彼と話は出来た? 何を話したの?」

ghost1_031905a.jpg
http://lazaruzforreal.blogspot.com/2009/12/ghost-in-icu-of-kl-general-hospital.html


<<以下は、ホセと幽体の会計士さんとの会話>>


「○○さん、体から抜け出てるけど・・・。」

「うん、ホセか! しばらくだなあ。 
体に入ってるとね、全身が癌細胞に冒されてるんで痛くてたまらないんだよ。 こうしてる方がラクなのさ。」

「ああ、そうだろうね~。ところで、大丈夫なの?」

「大丈夫も何も・・俺は、たぶん明日には死ぬと思うよ。」

「何か思い残すこととか、やって欲しいことってある?」

「いや、今さら・・・何もないなあ~。」

「そうか~、じゃあ、幽体になって49日くらいは現生に留まれるってことだし・・あっちこっち、好きなところを自由に行ってきたらいいよ。」

「うん、そうするかな。
ホセ! 来てくれて、ありがとな!」

「うん、じゃあな!」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今さら何も、思い残すことはないんだそうだ。。。

病院側の話なんか聞いてたところで、色々人生経験をしてきた人にとっては、「当たり前の出来事」でしかなく、特にショックを受けたり、惨めな気持ちになることもないのだろう。

さすがだ!

・・・・・・・・・・・・・・・・・

そして、まさにそのとおり、翌日亡くなった。

病院側が必死に探したせいか、日本にいる息子の居所がわかり、その息子が遺体を引き取りに来ると言う。
そして、日本でお葬式をすることにしたそうだ。

「まあ、それなら、よかったね~。」

「それにしても、死ぬってことは人生の最期を静かに迎えられるってわけじゃないよなあ。」

「そうだね~、身内がいなくても誰かを必死に探されるだろうし、事務処理や膨大なペーパーワークがあってサインの山なんだねえ。」


ところで、私の場合はどーなるんだろうか?
ふと、自分の死後を想像してみる。。。

すでに、身内が年老いた母だけで、しかも遠い日本にいる・・・という私の場合は、
母が他界してしまったあとは、私は無縁仏になるんだろうな。

「私の場合、無縁仏になるんだろうけど・・・その前に、私と多少でも関係のあった人々に片っ端から連絡が行くんだろうか?」

「だろうね~、どうしても見つからないときは、住んでいるカウンティーから費用が出て無縁仏として埋葬するらしいけど、誰だって、最低限の埋葬費用だって払いたくないだろうからね。」

「嫌だなあ~。生きてる人々を巻き込みたくないしなあ~。 
それこそ死体ごと消えちゃった方がいいのかもなあ。 海に捨ててもらうってわけにはいかんのかなあ。」

「海に捨てるとか、とんでもない話だよ! 灰を海にまくだけだって莫大な費用がかかるんだぞ。」

「え! そうなの・・・。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

一人の人間が生きてそして死を迎える。

その最期の死ですら・・・誰が書類にサインをする?とか、早く病院のベッドを明けたいとか、誰が支払うとか、そのために海外まで身元調査がされるとか・・・。

ああ、せちがないよなあ(笑)


しかし、そんなものを見ながらも、


思い残すことは何もない!と言いきれた会計士さんは、いい人生を歩んできたのかもしれない。

たった一人で無一文で死んだとしても。

一般的に見れば、「孤独で惨めな死に方」だろうけどね。

funeral.jpg

しかし・・・・逆に、多くの家族にみとられて豪華で盛大な葬式を出し、これまた豪華な墓に入ったところで、それが幸せな一生とは言えないのかもしれない。

ありあまる財産、人も羨む豪華な生活、多くの人々に囲まれていること・・・・これって、肉体を離れた魂には、どーでもいいことなんだよなあ・・・と、つくづく思う(笑)




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アリゾナ州セドナにて、アクセサリー工房Alizona*銀の月*をオープンしてる銀月です!

日々の生活や体験の中から、社会のこと、スピリチュアルなことなど・・思いつくままに書きつらねてます。

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