その3: 現代までのアメリカインディアン

さて、きょうは、近代における、アメリカインディアンたちは、どうなったか?って話です。

その前に、2000年のときに、アメリカ合衆国内務省BIA(インディアン管理局)から、こんな謝罪がされたそうです。
   ↓
2000年、BIA副長官ケビン・ガバー(1997~2001年まで就任。彼はポーニー族である)

寄宿学校を始めとする施政にまつわる、数十億ドルに上るインディアン基金のBIAによる不正隠匿を認めたうえで、過去百数十年にわたる部族強制移住と同化政策の犯罪性を認め、全米のインディアン部族に対し涙に濡れながら歴史的な謝罪を行った。

以下は彼によるその声明である。インディアン部族で満員の会場は、涙と嗚咽、拍手で沸きかえった。

「私達は二度と貴方がたの宗教、言語、儀式、また部族のやり方を攻撃することはありません。私達は二度と、貴方がたの子供を里子に出させ、自分たちを恥ずべきものと教えるつもりはありません。」



いまだに、インディアン管理局があるわけだし、しかも、2000年になって、はじめて謝罪って・・・どうなんだろね?

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さて、近代から現代における、アメリカインディアンについて、です。↓

1890年ウンデッド・ニーの虐殺を境に、ほぼ、インディアンたちは、アメリカ政府に屈服することになる。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ウンデット・ニーの虐殺

アメリカが建国されて、数々のインディアン撲滅の戦争を経た後、生き残った先住民たちは、部族ごとに分けられて、インディアンリザベーション(インディアン居留区)に入れられてしまう。

ようするに、この中で生活しろよ!外に出ちゃダメ~という、囚人生活のようなものですね。

当然、豊かな土地であるわけもなく、白人たちが、こんなとこ、住めないよ!って、投げ出したような土地に放り込まれたわけですね~。

もちろん、中には、リザベーションに入れられる前に、一族で、逃げ出して、こっそり山の中に隠れ住んで生き延びた人々もいたようで・・・・。

いまでも、そういった人たちの末裔の村があります。
まだ、彼らの方が、ずっと、幸せだったかもしれませんね

一方、リザベーション行きになってしまった人々は、徹底した同化政策を進めるために、赤ちゃんは、強制的に白人家庭に養子に出されたり、5歳以上の子供たちは、全員親から引き離されて、寄宿学校に入れられちゃいます。

学校と言っても、牢獄に近かったらしいですよ。

無理やり、部族や親と隔離して、キリスト教に改宗させられて、英語を習わされて、白人の下働きをする、「良いインディアン」作りをするための学校だったんですね。

まさに、インディアンの文化そのものを根絶やしにするための同化政策ですね~。

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たしか、インディアンの寄宿学校が廃止されたのは、1965年あたりだったはず。

と、いうことは、今でも、だいたい50才以上の人たちは、ほとんど、入れられた経験があることでしょうね。

寄宿学校を、ようやく17、8歳で出ることを許され、リザベーションに戻ったところで、仕事につけるわけじゃないし、部族にも馴染めず、かといって白人社会に受け入れられるはずもなく、いったい私って何?どうやって生きればいいの?という状態で、まさに、アイデンティティー喪失ですね~。

または、長年の寄宿生活で、すっかり心を病んでしまい、ひどいトラウマを抱えてしまうもの、そして、行き突く先は、みんなアルコール依存症か自殺。

こんなわけで、インディアンのアル中は、ひどく増えてしまい、一時は深刻な社会問題にまで、なってしまったようだ。

そのせいか、今だに、リザベーション内では、一切、アルコール禁止ってところもある。(もちろん、旅行者や観光客も不可。)

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さて、アメリカインディアンは、そんな状態で、その後、リザベーションの中で、どうやって生活していったか・・・?

まず、リザベーション内は、先ほども言ったとおり、痩せた土地。どんなに耕したって、たかがしれてる!だいたい、白人が捨てたような土地ですからね~。

あ、土地を耕して、農業や牧畜業をするのは、許可されてるけど(それも制限付き)、狩猟は、一切禁止。

それって・・ずーーと先祖から狩猟民族だった先住民は、いったいどうすりゃいいのよ~!


いちおう、アメリカ政府も、見殺しにしちゃったら世界各国から非難を浴びちゃいそうだし、そりゃ、まずいだろ!って事で、スズメの涙の援助金を出してるようだけど・・。

もちろん、そんなもので、マトモに食っていけるわけもない。
しかも、リザベーションによっては、その補助金をしっかり着服してしまって、ほとんど、彼らに渡らないところも、多くあったらしい。

まさに、日本の時代劇に出てきたような、悪徳お代官様みたいなことをやってたんですね~。

つまり、補助なんて、まったくあてに出来ないものだったようです。
多くのリザベーションの人々は、餓死寸前。

そこで、彼らが考えたあげく、はじめたビジネスは、インディアンジュエリーを製作したり、伝統工芸の自分の部族のつぼやカゴなどを作って、いわゆるインディアンアートの作品の販売

日本でも、ナバホ、ホピ、ズニのインディアン・ジュエリーって、有名ですよね~。

ところが、これも問題あり。

だって、先住民がすべて、手先が器用で、アート感覚を持ってるって人とは、限らないでしょ?
それに、材料となる石が近くで取れなきゃ、どうしようもない。

それに、そんなものをチマチマ作ってたところで・・たかがしれた収入にしかならない。とても、リザベーションの人、すべてが、食ってけるような産業にはならないわけですよ~。

そこで、もう1つのビジネス!、リザベーションてのは、だいたいがド田舎。
それを利用して、素晴らしい自然が近くにある場合は、観光産業をはじめた部族もいます。
(有名なアンテロープキャニオンは、ナバホの土地で、ナバホのツアーを通さないと、行かれません。写真参照)
antelope11.jpg


しかし、観光産業も無理だし、ジュエリー作りにも適さない地域の人々は

彼らは、起死回生をかけて、ある部族がこんな事をはじめました。

1979年のこと、フロリダ州のリザベーションに入れられてた、セミノール族が、高額賭率のビンゴ場を開設

なかなか考えましたね~。
一攫千金を狙う、白人どもは、どんなに不便なリザベーションの中でも、喜んで来てくれたことでしょう

ところが、当然ながら、フロリダ州は、これを停止させようと、部族と州はカジノ経営を巡って法廷闘争となった。

1987年には、今度は、カリフォルニアの「ミッション・インディアン」のカバゾン・バンドも、高額賭率ビンゴ場を開設。

さっそく、このアイデアを頂戴した部族たちですね。

あ、ここの、Cabazonという、ところは、いまでは、立派なカジノになってますよ。
(すぐ近所には、デザートヒルズという、アウトレットが有名で、日本人観光客にも人気みたいですね。



ところが、もちろん、ここも、その差し止めを要求する州との法廷闘争となる。

こうやって、20世紀に入ると、カジノ法案だけに限らず、彼らの生きる権利を求めて、新たに、インディアンとアメリカ政府との戦いがはじまるんですね。

かつて、ジェロニモやクレイジーホースが騎兵隊と勇敢に戦っていたように、今度は法の上での戦いがはじまったってわけです。

結果として、カリフォルニアのビンゴ場については、米国最高裁判所は、先住民側の勝訴としました。
だから、今でも存在してます!
(今では、りっぱなカジノ&ホテルですが。)


その後、1988年、連邦議会は、インディアンの賭博場経営と規制に関する「インディアン賭博規制法(IGRA)」を通過させる。

これは、簡単に言っちゃうと、連邦政府が公式認定した部族のみ、室内でのカジノが許可される・・・って法律です。

だから、どの部族も全部、カジノ経営に乗り出せるってわけじゃないんですね~。

どこが認定基準なのか、よくわからないんだけど、かなり細かい規定があるみたい。

ただ一説によれば、たっぷり袖の下を使えば、カジノ経営の許可はおりるって話もありますが・・



とにかく、それからというもの、アメリカインディアンによるカジノ経営ってのが、かなり増えたのは事実です。

ところが、また、1990年代に入ると、マジメで裕福な白人層からは、「賭博は教育・道徳的に許されないものだ!」って声が、いっぱい出てくるんですよね。

たしかに、小学校のすぐそばに、カジノ場があったりする場所もあるわけで・・・

でも、インディアンの人たちにとって、カジノは、唯一の生きるすべ。

それに、収入の多くは「没収された土地の買い戻し」や「道路の舗装・整備」、「部族の医療や教育、居住」、
「バッファロー牧場の開設」
((バッファローは彼らにとって、大切な家畜)などの資金といった、それぞれのインディアン部族員の福利厚生に使われているんだよね。

その上、もともとは、インディアンの衣食住の権利を詐取してきた白人が、今度は「道徳」を理由にカジノを禁止するのは理不尽だ!と・・・最近では、アメリカ内外からも批判の声がある。

さらに、インディアン・カジノが、自治体にもたらす税収は莫大なもの。(そう、ちゃんと税金は納めてるんだからね~)

インディアンだけでなく、今では、非インディアンも、(白人連中でさえ)、雇用をしてもらえるわけで、彼らだって、カジノが無くなってしまったら、職を失うことになるので、とくに、そういった連中は、カジノは、潰したらいかん!と叫んでます(笑)

(このホテルは、サンディエゴのド田舎にある、超豪華スパ&リゾート&ホテル・・・・ここのスパはアメリカで一番なんだそうです。。。もちろんインディアン経営。)
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こんなわけで、インディアンのカジノは一大事業。

(そう考えると・・・日本では、いくら財政を潤おわせるために、カジノ経営を許可しよう!といっても、なかなか通らないってのもわかりますね~。

アメリカで合法とされたのは、こういった先住民の悲惨な歴史の上になりたってるわけですから・・。)


それでも、すべての部族が、カジノ経営ができるわけでもなく、また、すべての経営が大事業として儲かってるわけでもない

あいかわらず、非常に貧しい、リザベーションで生活してる部族民もいるのも事実。
(↓写真は、別の部族、これといって産業が無く、貧しいリザベーション内の家・・・いまだに、こういったところもいっぱいあります。)
San-Carlos-Reservation-Poverty-615x423.jpg


また、ホピ族のように、信念として、「どんなに貧しくても、カジノ経営は、絶対しない!」という部族もいます。

ほーんと、ホピ族って、すごいですよね~

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それにしても、皮肉なもんです。。。

自然とともに生き、「大いなる神秘」のもと、人と動物すら明確に区分されず、すべてが平等に共有されるのがインディアンの社会であり、富を蓄えようとしなかったアメリカインディアン

グランドスピリットを信じ、大地は誰のものでもなく、所有する、される感覚さえ持たず、スピリチュアルな生き方を貫いてきた人々
が・・今や、カジノ経営ですから。

もちろん、そうしなければ、生き残れないのは、わかってるんだけど・・・なぜか、悲しい。。。

まして、ビジネス手腕を発揮して、大成功を収めてる、超豪華なスパ・リゾート・カジノなんか・・・見るたびに、なんとなーく、悲し~気分になっちゃいます。。。

(もちろん、そうは言っても、しっかり、私は、遊びに行って、楽しんではいるんですけどね~

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そう考えると、ますます、ホピ族は、すごいですね。

あいかわらず、徹底して、大地と共に生き、先祖代々の生き方を守り、必要以上の儲けを、むしろ拒否した生き方を貫いてるわけですから!

そう言うと、「ただの古臭い考え方の人々で、新しい時代についてけない、不器用な部族なんじゃないの~!」なーんて、言われる方もいましたが・・。

私は、決してそうは思いませんよ~

むしろ、ずっと先見の目を持ち、未来を見通してる人だと思うんですよ。

私たち、文明人が、金儲けに夢中になって10年先を見通して生活してるとすると、彼らの目は、100年、200年先まで見通してるんじゃないかな~

>>>>次回は、ホピ族のお話を!

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日本にカジノを建ててはいけない30の理由

今年(2016年)秋の臨時国会ではカジノを含む統合型リゾート(IR)の建設を推進する法案がいよいよ審議入りしようとしているようだ。 しかし筆者は日本にカジノを建設することには絶対反対である。 そこで、このエントリーではカジノ建設の反対派である筆者が、日本にカジノを建てるべきではない理由をひたすら列挙していく。

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No title

こんばんは。
目からウロコのお話をありがとうございます。
そうだったんですか、カジノの発祥は・・・。
カジノには良いイメージがなかったのですが、この話を
聞くと必要性があったんだと納得しました。

しかしあまりにも酷い事実を知れば知るほど、悲しくなると同時に
縄張り争いや支配欲求はある種、人間の本能なのかと思ってし
まいました。

もしそうだとすれば、弱い人間は力や支配に走る本能をむき出しにし、強い人間はその本能に打ち勝つ理性があるのかもしれないと
思いました。

ホピ族は本当に強い人々なのですね。
だからホピ族のアクセサリーを見るといつも力を感じるのでしょうか。
いつか実物を手にとってみたいです。

強い人間は常に「人として何が大切か」を考え続け実行し続ける
タフさを持つ人なんだとこのブログを読んでわかりました。
ありがとうございます。


次のホピ族のお話、楽しみです!

Re: No title

Fumiさん

こんばんは。

私は、はじめてアメリカに来たときに、カジノやら、小さなビンゴ場やらが、あっちこっちにあるのに、びっくりしたもんです。それで、「カジノはインディアン経営」と聞いて、はじめて、なーるほど!って目からウロコでした。
あ、もちろん、ラスベガスは別だけど・・あそこは、マフィアの街ですからね。(笑)


おっしゃるとおり、縄張りを拡大し続けること、支配欲求というのは、人間の根源的欲求なのかもしれません。それだけ、弱い人間が多いってことなんでしょうね~。

弱い人間は、目に見える物質文化を支えにしなきゃ生きていけないんだと思います。そして、宗教でさえ、人の手で作り変えられた宗教を信じ込む(笑)

たしかに、多くの人間は弱いもの。

それでも、少数であっても、強い精神性を持つ人々がいる以上、まだまだ大丈夫!・・・そんな勇気をもらえますね。
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スピリチュアル世界中心のブログ★

gingetsu2010

Author:gingetsu2010
アリゾナ州セドナにて、アクセサリー工房Alizona*銀の月*をオープンしてる銀月です!

日々の生活や体験の中から、社会のこと、スピリチュアルなことなど・・思いつくままに書きつらねてます。

皆様にも「スピリチャアルの意味」「生きる意味」を感じて頂けたら、幸いです!☆

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