世の中には、どうしても解明できないミステリーがある。
たぶん、こうゆうことだったんじゃないかな~と、自分なりに想像や推理をめぐらすことが出来るものもあるんだけど・・・中には全くわからん!というものもある。
これは、そんな話の1つだ。
ドン・ケンプ(Donald Kemp)は、ニューヨークシティの広告会社で働く35歳の幹部、エグゼクティブだった。
知的好奇心に満ちた都会人、ビジネスの成功者でもあり、誰もが羨むような存在だった。

ところが、1976年、彼は不幸にも交通事故に合ってしまい、健康を取り戻すまで2年もかかってしまったという。
その事故は、彼のその後の生き方に大きな影響を及ぼすきっかけにもなったようだ。
ドン・ケンプ、交通事故をきっかけに人生の転機がやってくる。
後に、彼の妹(または姉?、Sisterとしか書かれてないのでどっちかはわからない)の、キャシー・ドーブはこのように述べている。
「彼は唯物論に少し幻滅していました。 ニューヨークはその典型でしたし、ドンはより良い人生を愛し、そして、彼はもっとシンプルな時間と静かな時間を望んだんだと思います。 それが彼をマディソン・アベニューを離れる決心をさせたんだと思います。
そして・・それがまた、彼をその地域に引き寄せてしまったのかと。」
Madison Ave.

ドンは、前々から「リンカーン暗殺事件」について深い興味を持ち続けていた。 この機に、仕事を辞めてそれを本にすることを決意する。
1982年9月、彼はほとんどの私物を処分し、ワイオミング州ジャクソンホールに向けて出発した。
その地で、エイブラハムリンカーンの暗殺についての本を書く決心をしたのだ。
ワイオミング州ジャクソンホール、それが、どんなところかというと・・



美しい四季溢れる自然の中で、都会暮らしから逃れて執筆活動に入るドンにはステキな場所だっただろう。
11月15日、彼はワイオミングのシャイアン(cheyenne)に到着し、小さな博物館に立ち寄った。
(たしか、西部劇でもお馴染みのシャイアン砦?があったとこかと・・)
2時間くらいの時間をかけて、ゆっくり一人で見て歩いた。
その間、誰とも会話はしていない。
博物館を後にして、彼は自分のブリーフケースを博物館に忘れてきてしまったことに気づいてすぐに電話をしている。
「そのブリーフケースでしたら、こちらで保管してありますよ。」
「それはよかった。 では、取りに行きますのでよろしくお願いします。」
彼のブリーフケースの中には、トラベラーズチェック、日記、アドレスブック、眼鏡など、大切なものが入っている。
当然、彼は取りにいくつもりだったと思われる。
しかし、彼は二度とその博物館に現れることはなく、それ以後誰も彼の姿を見ていない。
消えてしまったのだ。
11月16日、ドンの車、(SUV車で、Chevrolet Blazer)が、ハイウェイパトロールによって発見された。

場所は、ワイオミング州中央部の人けのない道路の出口付近、車はアイドリング状態でラジオはつけっぱなし、すべてのドアが開いた状態だった。
もう、これだけでもフツウだったらあり得ないような状態だ!
11月にはうっすらと雪が降っていて、その上に足跡が残っていた。
足跡はワイオミングの大草原へ向かっていて、途中でドンのティーポットを見つかった。 さらに4マイル離れたところに、放置状態の納屋があり、その中で彼の靴下の3つと、火を起こすための棒が見つかった。
さらに、彼のバッグが干し草の山の中で発見されている。 その中には、洗濯石鹸、衣服、ポットなど、ドンの所有するすべてが入っていた。
しかし、他には何の手掛かりもなく遺体も見つからない。
この知らせを聞いたドンの母親メアリーは、仕事を辞めて、息子を探すことに専念する。
彼女はドンは何か不可解な事件に巻き込まれて誘拐されてしまい、きっとまだ生きているに違いない、と信じていたからだ。
しかし、保安官や彼の友人たちは、「彼は精神的に病んでいて、あたりをうろつきまわったあとに自殺したのだろう」、という見解だった。
ところが、ドンの母親だけは、ドンのバックが置かれているのが発見されたあとでさえ、
「これは、息子がそこを歩いたように見せるために、わざと、そこに置かれたんだと思います。 私はドンが置いたとは思えない。」と語っている。
ドンの捜索開始から3日後、この地域は大吹雪となった。
それを機に捜査は打ち切られることになる。 この吹雪の中ではとても助からないだろう、と結論づけられたからだ。
ところが、母親メアリーだけはまだ納得できない。
彼女は自分で調査を続けて、2つの手がかりにたどり着いた。
●その1 電話
ドンは仕事仲間の友人に電話をして留守番電話にメッセージを残していたのだ。
1983年4月、ドンが消えてから3か月後、ジュディス・アイエロという友人は、ヨーロッパからの長い休暇からニューヨークの自宅に戻った。 彼女は長い間国外にいたため、ドンが行方不明になっていることさえ知らなかった。
そこではじめて、ドンの電話メッセージをみつけたのだ。 6回にも及ぶメッセージは、いずれも非常に短く、単に電話をかけ直してくれ!というだけのものだった。 もちろん、ドンはメッセージに電話番号を残している。
残されたメッセージの声は、間違いなくドンだった、と彼女は証言している。
ジュディスは、彼が残した電話番号に電話した。 「ドンと話したいのですが・・」というと電話に出た男は、最初は「はい」と答えたものの、突然気が変わったかのように、「いいえ」と言って、すぐに電話を切ってしまったという。
●その2 ドンの目撃
ドンが吹雪で亡くなったと思われる5か月後、ドンはワイオミング州キャスパーの150マイル離れた場所で目撃されていた。
しかも1回ではなく2回も。 彼はエイブラハムリンカーンの記念品の巡回展と地元の居酒屋にいたという目撃があり、メアリー・ケンプは、ドンを給仕したというバーテンダーからも直接話を聞いた。
納得できない母メアリーは、ドンの残した電話番号から、警察にその男の調査を依頼した。
それは、ワイオミングのあるトレーラーハウスからかけられた電話番号だった。

トレーラーハウスに住んでいたのは、マーク・デニスという男性。
通話記録を調べると、やはりニューヨークのドンの友人宅に電話をしている。
警察は事情聴取を行ったのだが、マークは全く知らない、電話なんかしていない、というばかり。
きっと、電話会社の混戦か何かだったんじゃないか!とまで言う。
結局、警察はマークとドンの関係さえ全くつかめず、そこでまたも捜査は打ち切られてしまった。
しかし、メアリーは益々納得できない!
ドンは自殺ではない。 彼の死には必ずマークという男は関係しているはず。
この頃、ドンの妹キャシーは、マークの写真を見たとたんに、ドンによく似ている、と証言している。
ひょっとしたら、ドンがマークと名乗っているのではないか?と、彼女は思ってしまったという。
こちらが、マーク

これが、ドン。

古い不鮮明な写真なのでイマイチだけど、たしかによく似てる気がする。
キャシーに言わせると・・・まるでドッペルべンガーと言えるほど似ているという。
そこで、今度は警察からマークの声を聴かせてもらったところ、声はまったく違ったのだ。
しかしながら、ドンのニューヨークの友人宅に残されていた留守番電話のメッセージは、間違いなくドンの声だった・・と友人が証言している。
これはいったい??
その後まもなく、マーク・デニスはトレーラーハウスから姿を消してしまい、足取りはつかめていない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
それから3年後、ドンの遺体が彼のSUVが放棄された場所からわずか数マイルのところで発見された。

保安官オグバーンによれば、検死結果は何も怪しむべき点はなく、
「彼は、私たちが捜索しているのを避けて逃げ回っていたようだ。 おそらく精神を病んでいて自殺しようと思っていたから呼びかけても現れなかったのだろう。 2日、3日目に自分の車に戻ろうとしたのだろうけど、吹雪に合い土地勘の無い彼は戻れなかったために凍死してしまったのだ。」
ということで一件落着。
しかし・・これまた不思議!
3年後に発見された、まったく損傷の無い死体! ドンの死体は永久凍土から発見されたわけではないのだ。
冬は雪に覆われていたとしても、雪解けの春になれば死体は土の上に現れる。 土の上にある以上、風雨にさらされることも動物に食い散らかされることもある。 まったく損傷が無い方が、あり得ないことなのだ。
それから後、ドンの母メアリーの元に1本の電話がかかってくる。
スミソニアン博物館の人類学研究者、ドクター・エンジェルからの電話で、ドンの遺体を調べたいという。
彼はFBIに協力し、司法解剖の権威ともいわれるような人物だった。
どうやって、そんな高名なドクターがドンの事件を知り、さらに遺体を調べたいとまで言いだしたのか?
小さな田舎で起こった事件であって、大手メディアでは取り上げられてもいないというのに。
その検視結果は、さらに驚くべきものだった。

たしかに見た目の損傷はまったくなかったのだが・・舌骨だけが消えていた??
このころ、ドンの妹がいくつか思い出したことがある。
ドンが仕事を止めて執筆活動を決心した頃に、ドンから1冊の本をみせられたことがあった。
それは宇宙に関する本で、ドンはプレアデス星団のことが書かれたページをみせて、これがそのうち必要になるかもしれないよ と言っていたという。

プレアデス星団・・昴(すばる)とも呼ばれているものだ。
しかし、キャシーは何を言っているのかさっぱりわからなかった。 宇宙に興味の無い彼女には、ドンが言ってることも意味不明だったのだ。
実はドンが消えた場所は、UFOの目撃証言が多く寄せられる場所だった。
あるとき、今度はキャシーの元にUFO研究団体が電話をしてきて、「ドンはアブダクションにあったのだ。バックにいるのはプレアデス星団だ。」と言われたという。
キャシーは怖くなってしまい、そのまま電話を切ってしまい、その後一切、UFO研究団体に関わることはなかった。
さらに、キャシーはもっと昔のことを思い出していた。
昔、ドンと二人で交霊術に参加したことがあった。

真剣に交霊術に参加するというよりも、興味本位のものだったらしい。
しかし、そこでキャシーは得たいの知れない怖いもの!という印象を持ってしまったと言っている。
ひょっとしたら、あのときの交霊術に参加したことも何か影響があるのかもしれない・・そんなことも思いめぐらすようになったという。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ミステリーはこれだけに留まらない。
ドンが消えた1982年の翌年、1983年にドンの母、メアリーは、ドンの友人にドンの車をワイオミングから、自分たちの住むメリーランドまで運んでもらうように頼んだ。
友人はワイオミングまで飛んで、ドンの車を自分で運転してメリーランドまで行くという計画をたてた。
旅の途中、彼はモーテルに宿泊しある朝起きたら・・・車が壊れてしまっていて、まったく動かない。
修理を頼んでようやく車が戻ってきたとき、車の中にあったはずのドンの書類が半分以上盗まれていたことに気づいたのだ。
いったい誰がどこで? まったくわからずじまいだった。

その書類は、ドンがエイブラハム・リンカーンについて長年調べていた資料だった。
さらに運転し続け、ようやく目的地に到着・・したと思ったら、またも車が故障で動かなくなった。
そして修理に出す、・・すると、またも残っていた書類が消えてしまっていた。
同じことが2度起きる?
それでも、ノート類は残っていた。
母親メアリーは、ドンの遺品のノートを歴史学者に渡し、今後の研究に役立ててもらうように頼んだ。
その数日後、歴史学者は交通事故に合い、突然死んでしまう。
唯一残ったものはドンが吹き込んだカセットテープだけになった。
これも、エイブラハム・リンカーンに関する研究を吹き込んだものだ。
メアリーは、このカセットテープを、バージニア州に住むフランクに渡した。
その直後のことだった。 フランクの家は火事になり、フランクさんも亡くなってしまったのだ。
これで、ドンが長年調べてきたエイブラハム・リンカーンに関するもの一切が消えてしまった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
以上が未解決事件ミステリーの一部始終だ。
ただし法的には未解決事件ではなく、いちおう解決した事件とされているのだが・・(自殺志願の男が凍死ということで。)
しかし、不可解な部分が多すぎて誰も納得できない「未解決事件」なのだ。
そうゆうものがミステリーと呼ばれて、人々に語り継がれていくことになるのだろう。
不可解な点は数々あるのだが・・ポイントとなる点は3つ
★エイブラハム・リンカーン暗殺の謎・・・これこそ、ミステリーの古典とも言われるもので、リンカーン死の謎には多くの不可解な部分が含まれている。
★見えない影の勢力のようなもの・・・まるで、ドンが発表しようとしているリンカーンの本を闇に葬ろうとしているかのような・・
★UFOの関連性・・・ドン本人が言っていたプレアデスとは?
ドンは、友人に、このようなことを語っていたという。
「これから私の書こうとしている本は、リンカーン・スピリチュアリズム。 リンカーンの死の数々の謎めいた部分を真実としてドッキングできるはずです。 私は高い霊的なものと同調していますから。」
さて、みなさんは、この事件をどのように思われたでしょうか?
<参考>
https://unsolved.com/gallery/don-kemp/
The Strange Exit of Donald Kemp
https://news.google.com/newspapers?nid=1755&dat=19840413&id=ZOYbAAAAIBAJ&sjid=w2gEAAAAIBAJ&pg=6562,3316813&hl=en
https://www.sitcomsonline.com/boards/archive/index.php/t-233928.html
たぶん、こうゆうことだったんじゃないかな~と、自分なりに想像や推理をめぐらすことが出来るものもあるんだけど・・・中には全くわからん!というものもある。
これは、そんな話の1つだ。
ドン・ケンプ(Donald Kemp)は、ニューヨークシティの広告会社で働く35歳の幹部、エグゼクティブだった。
知的好奇心に満ちた都会人、ビジネスの成功者でもあり、誰もが羨むような存在だった。

ところが、1976年、彼は不幸にも交通事故に合ってしまい、健康を取り戻すまで2年もかかってしまったという。
その事故は、彼のその後の生き方に大きな影響を及ぼすきっかけにもなったようだ。
ドン・ケンプ、交通事故をきっかけに人生の転機がやってくる。
後に、彼の妹(または姉?、Sisterとしか書かれてないのでどっちかはわからない)の、キャシー・ドーブはこのように述べている。
「彼は唯物論に少し幻滅していました。 ニューヨークはその典型でしたし、ドンはより良い人生を愛し、そして、彼はもっとシンプルな時間と静かな時間を望んだんだと思います。 それが彼をマディソン・アベニューを離れる決心をさせたんだと思います。
そして・・それがまた、彼をその地域に引き寄せてしまったのかと。」
Madison Ave.

ドンは、前々から「リンカーン暗殺事件」について深い興味を持ち続けていた。 この機に、仕事を辞めてそれを本にすることを決意する。
1982年9月、彼はほとんどの私物を処分し、ワイオミング州ジャクソンホールに向けて出発した。
その地で、エイブラハムリンカーンの暗殺についての本を書く決心をしたのだ。
ワイオミング州ジャクソンホール、それが、どんなところかというと・・



美しい四季溢れる自然の中で、都会暮らしから逃れて執筆活動に入るドンにはステキな場所だっただろう。
11月15日、彼はワイオミングのシャイアン(cheyenne)に到着し、小さな博物館に立ち寄った。
(たしか、西部劇でもお馴染みのシャイアン砦?があったとこかと・・)
2時間くらいの時間をかけて、ゆっくり一人で見て歩いた。
その間、誰とも会話はしていない。
博物館を後にして、彼は自分のブリーフケースを博物館に忘れてきてしまったことに気づいてすぐに電話をしている。
「そのブリーフケースでしたら、こちらで保管してありますよ。」
「それはよかった。 では、取りに行きますのでよろしくお願いします。」
彼のブリーフケースの中には、トラベラーズチェック、日記、アドレスブック、眼鏡など、大切なものが入っている。
当然、彼は取りにいくつもりだったと思われる。
しかし、彼は二度とその博物館に現れることはなく、それ以後誰も彼の姿を見ていない。
消えてしまったのだ。
11月16日、ドンの車、(SUV車で、Chevrolet Blazer)が、ハイウェイパトロールによって発見された。

場所は、ワイオミング州中央部の人けのない道路の出口付近、車はアイドリング状態でラジオはつけっぱなし、すべてのドアが開いた状態だった。
もう、これだけでもフツウだったらあり得ないような状態だ!
11月にはうっすらと雪が降っていて、その上に足跡が残っていた。
足跡はワイオミングの大草原へ向かっていて、途中でドンのティーポットを見つかった。 さらに4マイル離れたところに、放置状態の納屋があり、その中で彼の靴下の3つと、火を起こすための棒が見つかった。
さらに、彼のバッグが干し草の山の中で発見されている。 その中には、洗濯石鹸、衣服、ポットなど、ドンの所有するすべてが入っていた。
しかし、他には何の手掛かりもなく遺体も見つからない。
この知らせを聞いたドンの母親メアリーは、仕事を辞めて、息子を探すことに専念する。
彼女はドンは何か不可解な事件に巻き込まれて誘拐されてしまい、きっとまだ生きているに違いない、と信じていたからだ。
しかし、保安官や彼の友人たちは、「彼は精神的に病んでいて、あたりをうろつきまわったあとに自殺したのだろう」、という見解だった。
ところが、ドンの母親だけは、ドンのバックが置かれているのが発見されたあとでさえ、
「これは、息子がそこを歩いたように見せるために、わざと、そこに置かれたんだと思います。 私はドンが置いたとは思えない。」と語っている。
ドンの捜索開始から3日後、この地域は大吹雪となった。
それを機に捜査は打ち切られることになる。 この吹雪の中ではとても助からないだろう、と結論づけられたからだ。
事故の後遺症からドンは精神を病んいたに違いない、車から出て付近をさまよい、小屋をみつけて一時はそこにいたものの、結局、自殺を選んだのだ!
一帯を隈なく探しても本人がみつからなかった・・ということは、ドンは自分の意思で姿を隠していたからだ。
ところが、母親メアリーだけはまだ納得できない。
彼女は自分で調査を続けて、2つの手がかりにたどり着いた。
●その1 電話
ドンは仕事仲間の友人に電話をして留守番電話にメッセージを残していたのだ。
1983年4月、ドンが消えてから3か月後、ジュディス・アイエロという友人は、ヨーロッパからの長い休暇からニューヨークの自宅に戻った。 彼女は長い間国外にいたため、ドンが行方不明になっていることさえ知らなかった。
そこではじめて、ドンの電話メッセージをみつけたのだ。 6回にも及ぶメッセージは、いずれも非常に短く、単に電話をかけ直してくれ!というだけのものだった。 もちろん、ドンはメッセージに電話番号を残している。
残されたメッセージの声は、間違いなくドンだった、と彼女は証言している。
ジュディスは、彼が残した電話番号に電話した。 「ドンと話したいのですが・・」というと電話に出た男は、最初は「はい」と答えたものの、突然気が変わったかのように、「いいえ」と言って、すぐに電話を切ってしまったという。
●その2 ドンの目撃
ドンが吹雪で亡くなったと思われる5か月後、ドンはワイオミング州キャスパーの150マイル離れた場所で目撃されていた。
しかも1回ではなく2回も。 彼はエイブラハムリンカーンの記念品の巡回展と地元の居酒屋にいたという目撃があり、メアリー・ケンプは、ドンを給仕したというバーテンダーからも直接話を聞いた。
納得できない母メアリーは、ドンの残した電話番号から、警察にその男の調査を依頼した。
それは、ワイオミングのあるトレーラーハウスからかけられた電話番号だった。

トレーラーハウスに住んでいたのは、マーク・デニスという男性。
通話記録を調べると、やはりニューヨークのドンの友人宅に電話をしている。
警察は事情聴取を行ったのだが、マークは全く知らない、電話なんかしていない、というばかり。
きっと、電話会社の混戦か何かだったんじゃないか!とまで言う。
結局、警察はマークとドンの関係さえ全くつかめず、そこでまたも捜査は打ち切られてしまった。
しかし、メアリーは益々納得できない!
ドンは自殺ではない。 彼の死には必ずマークという男は関係しているはず。
この頃、ドンの妹キャシーは、マークの写真を見たとたんに、ドンによく似ている、と証言している。
ひょっとしたら、ドンがマークと名乗っているのではないか?と、彼女は思ってしまったという。
こちらが、マーク

これが、ドン。

古い不鮮明な写真なのでイマイチだけど、たしかによく似てる気がする。
キャシーに言わせると・・・まるでドッペルべンガーと言えるほど似ているという。
そこで、今度は警察からマークの声を聴かせてもらったところ、声はまったく違ったのだ。
しかしながら、ドンのニューヨークの友人宅に残されていた留守番電話のメッセージは、間違いなくドンの声だった・・と友人が証言している。
これはいったい??
その後まもなく、マーク・デニスはトレーラーハウスから姿を消してしまい、足取りはつかめていない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
それから3年後、ドンの遺体が彼のSUVが放棄された場所からわずか数マイルのところで発見された。

保安官オグバーンによれば、検死結果は何も怪しむべき点はなく、
「彼は、私たちが捜索しているのを避けて逃げ回っていたようだ。 おそらく精神を病んでいて自殺しようと思っていたから呼びかけても現れなかったのだろう。 2日、3日目に自分の車に戻ろうとしたのだろうけど、吹雪に合い土地勘の無い彼は戻れなかったために凍死してしまったのだ。」
ということで一件落着。
しかし・・これまた不思議!
3年後に発見された、まったく損傷の無い死体! ドンの死体は永久凍土から発見されたわけではないのだ。
冬は雪に覆われていたとしても、雪解けの春になれば死体は土の上に現れる。 土の上にある以上、風雨にさらされることも動物に食い散らかされることもある。 まったく損傷が無い方が、あり得ないことなのだ。
それから後、ドンの母メアリーの元に1本の電話がかかってくる。
スミソニアン博物館の人類学研究者、ドクター・エンジェルからの電話で、ドンの遺体を調べたいという。
彼はFBIに協力し、司法解剖の権威ともいわれるような人物だった。
どうやって、そんな高名なドクターがドンの事件を知り、さらに遺体を調べたいとまで言いだしたのか?
小さな田舎で起こった事件であって、大手メディアでは取り上げられてもいないというのに。
その検視結果は、さらに驚くべきものだった。
●遺体の損傷はない。
●遺体は死後1-2年のもの (え? ドンが死んだのは4年前のはずなのに?)
●舌をささえるU字型の骨が消えていた。 (これは舌骨と呼ばれるものらしい)

たしかに見た目の損傷はまったくなかったのだが・・舌骨だけが消えていた??
このころ、ドンの妹がいくつか思い出したことがある。
ドンが仕事を止めて執筆活動を決心した頃に、ドンから1冊の本をみせられたことがあった。
それは宇宙に関する本で、ドンはプレアデス星団のことが書かれたページをみせて、これがそのうち必要になるかもしれないよ と言っていたという。

プレアデス星団・・昴(すばる)とも呼ばれているものだ。
しかし、キャシーは何を言っているのかさっぱりわからなかった。 宇宙に興味の無い彼女には、ドンが言ってることも意味不明だったのだ。
実はドンが消えた場所は、UFOの目撃証言が多く寄せられる場所だった。
あるとき、今度はキャシーの元にUFO研究団体が電話をしてきて、「ドンはアブダクションにあったのだ。バックにいるのはプレアデス星団だ。」と言われたという。
キャシーは怖くなってしまい、そのまま電話を切ってしまい、その後一切、UFO研究団体に関わることはなかった。
さらに、キャシーはもっと昔のことを思い出していた。
昔、ドンと二人で交霊術に参加したことがあった。

真剣に交霊術に参加するというよりも、興味本位のものだったらしい。
しかし、そこでキャシーは得たいの知れない怖いもの!という印象を持ってしまったと言っている。
ひょっとしたら、あのときの交霊術に参加したことも何か影響があるのかもしれない・・そんなことも思いめぐらすようになったという。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ミステリーはこれだけに留まらない。
ドンが消えた1982年の翌年、1983年にドンの母、メアリーは、ドンの友人にドンの車をワイオミングから、自分たちの住むメリーランドまで運んでもらうように頼んだ。
友人はワイオミングまで飛んで、ドンの車を自分で運転してメリーランドまで行くという計画をたてた。
旅の途中、彼はモーテルに宿泊しある朝起きたら・・・車が壊れてしまっていて、まったく動かない。
修理を頼んでようやく車が戻ってきたとき、車の中にあったはずのドンの書類が半分以上盗まれていたことに気づいたのだ。
いったい誰がどこで? まったくわからずじまいだった。

その書類は、ドンがエイブラハム・リンカーンについて長年調べていた資料だった。
さらに運転し続け、ようやく目的地に到着・・したと思ったら、またも車が故障で動かなくなった。
そして修理に出す、・・すると、またも残っていた書類が消えてしまっていた。
同じことが2度起きる?
それでも、ノート類は残っていた。
母親メアリーは、ドンの遺品のノートを歴史学者に渡し、今後の研究に役立ててもらうように頼んだ。
その数日後、歴史学者は交通事故に合い、突然死んでしまう。
唯一残ったものはドンが吹き込んだカセットテープだけになった。
これも、エイブラハム・リンカーンに関する研究を吹き込んだものだ。
メアリーは、このカセットテープを、バージニア州に住むフランクに渡した。
その直後のことだった。 フランクの家は火事になり、フランクさんも亡くなってしまったのだ。
これで、ドンが長年調べてきたエイブラハム・リンカーンに関するもの一切が消えてしまった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
以上が未解決事件ミステリーの一部始終だ。
ただし法的には未解決事件ではなく、いちおう解決した事件とされているのだが・・(自殺志願の男が凍死ということで。)
しかし、不可解な部分が多すぎて誰も納得できない「未解決事件」なのだ。
そうゆうものがミステリーと呼ばれて、人々に語り継がれていくことになるのだろう。
不可解な点は数々あるのだが・・ポイントとなる点は3つ
★エイブラハム・リンカーン暗殺の謎・・・これこそ、ミステリーの古典とも言われるもので、リンカーン死の謎には多くの不可解な部分が含まれている。
★見えない影の勢力のようなもの・・・まるで、ドンが発表しようとしているリンカーンの本を闇に葬ろうとしているかのような・・
★UFOの関連性・・・ドン本人が言っていたプレアデスとは?
ドンは、友人に、このようなことを語っていたという。
「これから私の書こうとしている本は、リンカーン・スピリチュアリズム。 リンカーンの死の数々の謎めいた部分を真実としてドッキングできるはずです。 私は高い霊的なものと同調していますから。」
さて、みなさんは、この事件をどのように思われたでしょうか?
<参考>
https://unsolved.com/gallery/don-kemp/
The Strange Exit of Donald Kemp
https://news.google.com/newspapers?nid=1755&dat=19840413&id=ZOYbAAAAIBAJ&sjid=w2gEAAAAIBAJ&pg=6562,3316813&hl=en
https://www.sitcomsonline.com/boards/archive/index.php/t-233928.html