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リスクフリーな生き方

隣家に住む90歳になるおばあちゃんが、いつもヨタヨタと歩きながら、色々なものを持ってきてくれる。
それは庭に咲く花だったり手焼きのクッキーだったり。

プレゼントを渡すと、すぐにまた帰っていく。

いったいなぜ? 
老人にありがちな、誰かと長話しをして心を慰めたいのか?と最初は思ったものの、そうではないらしい。

簡単な挨拶だけで、すぐに帰っていくのだから。
そもそも、彼女は一人暮らしではない。 連れ合いのおじいちゃんと仲良く暮らしている。

なのに、なぜ・・歩くことも困難な足で、ヨタヨタとものすごい長い時間をかけてまでやってくるのか?

手助けしようとすると、にっこり笑って、ありがとう!でも大丈夫ですから!と断られる。
ポライトな微笑の中にも、ぴしゃりとした拒絶を感じて、つい手を貸すことを諦らめざるを得ない。

ある日のこと、そのおばあちゃんが亡くなった。

なんでも庭で一人倒れたまま亡くなっていたのだそうだ。
それを発見したのは、連れ合いのおじいちゃんだった。

老夫婦の家族はすぐ近くに住んでいて、毎日様子は見に来ていたそうだ。
息子夫婦に聞いたところ、足腰が弱っているんだから、歩かないようにすることを厳しく注意していたという。
車椅子だってある。

ところが、おばあちゃんは、ちっとも言うことを聞かずに歩きたがる。
すぐに庭に出たがる。

そこで、おじいちゃんと一緒に介護施設に入居させようと考えていた矢先のことだったという。



これは、ウエストハリウッドに住む私の同僚から聞いた話だ。

westholly.jpg


その同僚は、さらに、こんなことを言った。

「ご家族の方から話を聞いたとき、なんか、おばあちゃんの気持ちがわかるような気がしたんだよね。
おばあちゃんは自分で歩きたかったんだよ。 どんなに禁じられようが・・。」



この話を聞いて、少し前に読んだこのブログ記事を思い出した。

これは、あるお医者さんが書いた記事だ。
   ↓
人は家畜になっても生き残る道を選ぶのか?


この中に、老人医療の現場について書かれた部分があったので、それを引用する。

高齢者医療の現場である病院・施設は「ゼロリスク神話」による管理・支配によって高齢者の収容所になりつつある。

誰しも高齢になれば自然に足腰も衰える、転倒を予防したければ「歩くな」が一番の予防策だ。今高齢者が入院する病院では、ベッドに柵が張られていることが多い。トイレに行きたいときは看護師を呼んで車椅子移動。行動を制限された高齢者の筋力・体力は急速に落ちていく、そして寝たきりになり、排泄はおむつになる。

また、誰しも高齢になれば飲み込みが悪くなる。食べては誤嚥し、肺炎を発症する。誤嚥性肺炎を予防したければ「食べるな」が一番の予防策だ。今高齢者が入院する病院・施設は、鼻から胃袋まで管を入れられる、もしくはおなかに直接穴を開けられて胃に栄養を送る経管栄養の高齢者で大賑わいだ。

こうして高齢者は入院・入所した途端に行動を制限され寝たきりになっていく。



もちろん、すべての医療施設・病院がこういったところばかりではないのだろうけど・・それでも「こういった傾向のところが多い」ということなのだろう。


家族だったら、少しでも長生きして欲しいと思うことだろう。
なので、ちょっとでもリスクのあることは、絶対させたくないのだろう。

転んだら危ない
固形物を食べたら危ない

すべて命を守るためなんだから!
と。

医療側にとっても同様、リスクをすべて排除すること→これが、ゼロリスク神話ってことだ。


でも、生きているということは、

自分の足で歩き、自分で好きなものを食べることじゃないだろうか?
自由に自分の好きなことができるということじゃないだろうか?


「リスクゼロを目指す」という考え方は、私にはどうにも納得できないものだ。


こういった考え方は今や高齢者に対してばかりではない。 子供に対しても同様な気がする。


以前に、こちらのブログ記事の中でも書いたことだけど・・
   ↓
メメントモリとエベレストのテーマ「死を想う」


●日本では、遺体の映像や画像の表示はしない。

●ヒロシマの原爆資料館でも、悲惨さを感じさせる写真は一切ない

●ふだん口にする肉類はパックになってるのを買ってきて食べるだけ・・家畜が殺された形跡すらないのが当たり前。

全部、子供がトラウマになっちゃうからという理由だという。


そのベースには、今の多くの大人たちが「死は醜くて怖いもの」という認識しかなくなってしまったからなのかもしれない。

大人がただ「怖いもの・醜いもの」としか思っていないんだとしたら、それ以外の見方を子供に示すことは出来ないということだ。

だからこそ、なるべく子供には見せないように、遠ざけようとすることしか、ないのだろう。


リスキーなものは少しでも遠ざけて、親は子に財産を残そうとし、安定した良い会社に就職させようとし、娘を嫁がせるなら、いまだに少しでも良い条件の男に嫁がせることを望む人が多いのだとか(笑)

子たちもまた、それを当然と考えるようになるし、それは社会全体の価値観となっていく。

多くの人がロウリスク・ハイリターンの道を模索するようになる。(ロウリスク・ハイリターンなんて存在しないのに)

挙句に果てには、「そんなん、当たり前じゃん、昔からそうだし」・・と言われたりする。



いやいや、昔というのがいつの時代を指すのかは知らないけど、少なくともそんな考え方が定着したのは、日本では明治政府以降だ。 西洋文明が入り込んで、国家が中央集権国家として出来上がって以来のことだ。


もともとの日本人は、そうではなかったというのに。

自然と共に生きてきた日本人のメンタリティは、森羅万象に神や精霊を感じる「アニミズム」と不可分だ。
山に生きる人ならば、普段は慈母のように優しい山に感謝し、時には厳父のような荒ぶる神を畏怖しつつ、生死もそこに委ねて生きてきた。

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自分に都合のいい「ロウリスク・ハイリターン」なんて存在しないことは、彼らが一番よく知っている(笑)

彼ら親が子に残してあげられる唯一のものは、リスクヘッジ能力だけだったように思う。

リスクヘッジとは、起こりうるリスクの程度を予測して、リスクに対応できる体制を取って備えること



ピンチに陥ったとき、自力で回避するための能力と精神力を授けることだ。

もしも、それで命を落としてしまったとしても、それがどんな悲しいことであったとしても、覚悟は出来ている。

それだけ、大人たちもまた、強い精神力を持っていたということだ。


残念ながら、こういったメンタリティーは現代の日本人からは消えつつあるようだ。
逆に欧米人の方が、昨今では「自然回帰」に目覚め、自由に生きるための強いメンタリティーを子供たちに教えるようになったともいわれている。


しかしながら・・あのウイルス騒ぎになってからというもの、あらゆるリスクを避ける生き方こそが主流となってしまったかのようだ。

とくに今、「最大の問題は命を守ること」とされている。 おそらく世界中で・・・


人間にとっての「最大の問題は生命(肉体)ではない」ということは、過去からの多くの賢人たちが説いてきたことだ。
それこそ、ブッダやイエスでさえも。
*言うまでもないことだけど、もちろん、命を軽んじても構わないという類の話ではない。

しかし、今では完全にそんな考え方はスルーされてしまってるかのようだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

おばあさんが急死してしまい、家に一人残されてしまったおじいさんはどうなったのだろう?

気になって同僚に聞いてみた。

「周囲の人たちは全員一致で、介護施設に入ることを勧めたのだけど、おじいさんは断固拒否したそうだよ。

俺は、死ぬまで妻と共に過ごしたこの家に住む・・・そんなに長くはかからないだろうよ。 俺ももうじき妻のもとへ逝くだろう。
でも、それまでは一人でここに住む。 歩けるうちは車椅子も使わない。 自分の足で歩く。 
だから俺のことは放っておいてくれ。 好きにさせてくれ。・・・と言ったそうだよ。」


私は、このアメリカで「自然回帰」「自由」・・のメンタリティーを垣間見た気がした。
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