5/1に、アフリカ、ベナンの国立公園でサファリパークの観光をしていた2人のフランス人(46歳と51歳)がテロリストに誘拐され監禁されるという事件が起きた。
ベナンのパンジャリ国立公園は、西アフリカ最大規模で手付かずの生態系が残っているといわれる場所。
↓
https://www.afpbb.com/articles/-/3159408?cx_part=search
そこで、現地ガイドは真っ先にその場で殺されてしまったらしい。
テロリストは、現地人から身代金は取れないとふんだのだろう。
そこで、ブキナファソに移された彼らを奪還するため、フランス軍の特殊部隊が派遣され、銃撃戦ののち、見事人質を奪還した。
5/10のことだ。
フランス人二人のほか、アメリカ人一人と韓国人一人の計4人を救出した。
ところが、そのときの銃撃戦で、特殊部隊の若きエリート2人が殉職してしまった。
ベナンの北は、危険地域と言われ政府から旅行を控えるように勧告されている地域だった。
さて、このニュースが日本で代々的に報道されたかどうかは知らない。
たぶん、日本では他国のこんなニュースはあまり関心がないのだろうし、たいして報道されなかったのかもしれない。
仏軍、ブルキナファソで人質4人救出 兵士2人死亡
でも、もしも・・これが日本人が人質になったとしたら、どうなったんだろう?と、ふと思った。
そういえば・・もう4年くらい前?だったかなあ?
日本人がISILに人質になった事件があったことを思い出す。
ブログやネット上が炎上状態になって、
「危険地域に自分で行ったんだから身代金なんか払う必要はない!」
「そんなの自己責任だ。身代金は自分で出せばいいだろ!」
という声ばかりで、家族に対するバッシングまで起こったことを思い出した。
えーー?
それより人質の救出方法を模索する方が先だろーが!
と、私は思っていたのだが。
おそらく、これが今日本で起こったとしても
「危険な場所に自分が勝手にいったんだからほっとけ!金なんか払う必要はない。」ってことになっちゃうんだろうなあ。
その上、彼らの家族まで、お前の息子が迷惑をかけたんだ! 謝罪しろ!とかって迫られるんだろうなあ。
さらに一般人だけでなく、日本の政府陣も・・同じ方向で!と喜んでいっちゃいそうな気がする。
なんてたって世論がそうなんだから、まことに遺憾ながら仕方ないんですよ~て(笑)
嫌だなあ。
日本てみんな一色になっちゃうんだ!
それがまるで「正論のように思い込んで」しまうという心理が・・不気味だ。
さて、フランスではどうなんだろう?
たまたまフランス在住の方のブログをみつけた。
竹内節子さんという方のブログで、やはりこの記事をアップしていた。
↓
日本とフランス -- 血を流す覚悟とは何か?
そこから抜粋すると・・
外務大臣のコメントはこういうものだったそうだ。
↓
「今回の事件では何よりもまず、国の義務というものがある。それはフランス人の安全を守ることで、それがたとえ外国で極限条件にある場所にいる場合でも、危機にあるフランス人を守り救うことである。それが今回なされたことだ」
そして、フランスの報道は、
↓
実際は、その救出作戦で助けられたのは韓国人女性とアメリカ人女性も入れた4人だったので、「数」的には、2対2ではなかったのだけれど、フランスでの報道は一貫して「2人のフランス人を救った2人の英雄」という括り方だった。
この方のブログの中でも、
もしもこれが日本だったら、無事に救出されたとしても、
「旅行者の2人はいたたまれないというか、激しく非難されるのではないか、ということだ。旅行者の家族も喜ぶより先に肩身が狭いのではないかと思った。」
と書かれていたけど・・やっぱりそう思うよなあ~。
フランスにだって、個人的にはさまざまな意見を持つ人がいるだろう。
「こんなお気楽観光客の命なんかどーなってもよかったんだ! それより優秀な若い兵士2人の損失の方が悔やまれる」と思う人だって多いかもしれない。
それでも政府の一貫したポリシーとして、
「なにがあっても、たとえ最高のエリートを犠牲にしても”危機にあるフランス人を救う”のだ!
という国家の価値観を堂々と表明しちゃうところが、すごい!
この決断が果たして正しいかどうかはわからない。
人それぞれの考えかた、国それぞれの考え方もあるだろう。
それでも、国家に「何があってもフランス人を守る、見捨てない」と堂々と宣言され、そして事実、犠牲を払ってまでも救助したとなれば、
市民の国家における信頼度も増すし、そんな国家のためだったら命を捨ててもよい!と思う志願兵だって現れることだろう。
http://en.rfi.fr/france/20170827-young-soldier-operation-sentinelle-commits-suicide
一方、いざとなったら「自己責任の名のもとに」 救助しようともせず、
こーんなことを言ったって・・
↓
>>>「明治維新のとき、日本人は、今のような生ぬるい議論をしていたのではなかったはずです。
多くの人が殺されて、切り合って、議論をして、血を流して、自分の命を犠牲にして、日本国が列強諸国に飲み込まれないために戦ったのです。
そして、日本国を守り通した。
その発想が、今こそ必要なのです」<<<(櫻井さんが理事長を務めるシンクタンク「国家基本問題研究所」2018年1月の例会での櫻井よしこさんの発言)
はああ?としか思えない。
**そもそも、アンタ、ちゃんと歴史を理解してるの? それって維新の志士たちにも失礼じゃんか?(←失礼ながら、私はそのように思ってしまいました。。。)
日本にいると、当然のように1つの色に染められていってしまうのだろうか?
それこそが正論と思ってしまうんだろうか?
私には、それが・・どうにも不気味な不快感になる。
「欧米ってのは好戦的なんだよなあ。 とくにフランスはフランス革命を起こしたような国だし、アイツらは日本人のような和の心を持ってないんだよ。」という声を聴くことも多いし、実際に、そういった認識の人も多いのかもしれない。
でも・・・私には、今の日本の方が和の心なんて微塵も無くて好戦的な人種のように思えてしまうのだ。
「同じ色に染まって目立たずカモフラージュしながら、誰かを集団バッシングするのを喜びとする」
やだなああ@@@ そんな国民性に成り下がってしまってるとしたら。
さて、
もしもこのような人質事件が起こったとき、そして、もしも、あなたがすべての権限を持つ大統領だったとしたら、
いったいどんな決断を下す?
●命を助けるために犯人の言いなりに身代金を払う
●今回のフランス政府のように、人質奪回のために特殊部隊を送り込む
●「何があってもテロには屈しない」をスローガンに人質を見殺しにするもやむなし
この中で一番ラクで、なーんも傷まない方法は3番目だ。お金も優秀な特殊部隊の戦力も失わないからね(笑)
ちなみに、「テロリストとは交渉しない」という考え方はアメリカから来てるのだけど・・安倍晋三首相が2015年に日本で起きた人質事件のときに、おそらく彼はアメリカをまねて身代金を拒否するために「テロには屈しない」という言葉を使ったのだろうといわれている。
なーるほど、日本政府っていつもアメリカのまねっこなんだね~(笑)
ただし、「身代金を支払えばテロリストへの資金提供にもなり、味をしめて次の人質事件を誘発することにもなりかねない。」
これも事実だと思うし、これも考慮に入れなきゃならないことだ。
さて、みなさんが一国の大統領だったとしたら、どうしますか?
アメリカのマネでもなく誰かさんのの右に倣えでもなく・・みなさん自身の考えを聞きたいなあって思う。
ついでに、
「テロに屈しない」という意味、「自己責任とは?」
それも併せて考えて答えを出して欲しいなあって思う。
もう、小さな日本の国の中だけで善悪論を振り回し、人のことをバッシングしてるようなときではないと思うのだ。
一人ひとりが「自分が国を動かす気持ち」で、「さまざまな問題を考えなきゃならないとき」なんじゃないかな。